魂の灯 -71- #ppslgr
ソウルアバター四機による高火力砲火の連続攻撃は、一旦は押し寄せる汚濁の侵食を押し留めたかのように見えた。だが、一瞬怯んだ後にスカムの大波は世界を飲み込まんばかりに立ち上がり、見る間に波は怪異百鬼夜行の彫像に変じて敵対者を取り込まんとする城壁に変わる!その高さは各ソウルアバターの人間の十倍以上からなる全長を遥かに凌駕するほどだ!
「……ワオ、流石に自信満々で攻めてくるだけあるよね?」
「衛星からの様子じゃ、もう東京は全滅、侵食範囲は関東一都六県にまでおよびはじめている」
「なあんってこった!怪獣だってもっと自重するじゃろ!総辞職砲くらいで!」
「気ままに活動している怪獣より、人間の方が吹っ切れるとおっかねえもんさ」
デモンズウォールと化した最前列より、次々に怪物共が押し寄せる。暗色透明のイカ頭部人間、多連装触手モンスター、卓椅子複合四脚防盾、ハニワサボテンなどなど、禁忌の怪物達が人間などひともみにすりつぶせるボリュームと物量で輪になって背を預け合うパルプスリンガー達へと迫った!
「うわったあ!」
このままで取り囲まれ一斉砲火の後爆発四散もありえると判断した各機はそれぞれの手段で防御を試みる!暗色イカ魔人の黒色雷光が迫れば、アークデウスは左手に掲げたプテラノドンシールドでもって空へそらし、胸部からの銀雷でもって相殺!絡み合った黒と銀の稲光が海水を一瞬で蒸発させ水蒸気爆発を引き起こす!
東京湾を白く覆う霧を切り裂いて、ガトリング砲めいた連装触手束で五肢をかたどったモンスターがバロールの圧倒的装甲へと掴みかかった!そのままギチギチとメタリックブルーの単眼巨人の筋肉意匠装甲をしめあげていく!
「ヘル・マー!」
「へっ、この程度どうってことねえな!いくぞ相棒!」
「アイ、アイ、いつでもいけます」
ディッグの呼びかけに対し、不敵な返事を返すプロレスラー!メタリック装甲をパンプアップさせて絡みつく触手から自由を取り戻すと、押し込められたバネの様にしゃがみこんでからの蹴撃で天高く多連装触手モンスターをうちあげる!
「トライアード!ドラゴン!クラアアアアッッシュ!」
スペースシャトルもかくやの勢いで飛び上がったバロールは、モンスターを瞬時に追い抜かすと空中回転からの回転蹴りで海上へと叩き落とす!パチンコめいてなすすべなく弾かれるモンスター!だが奴よりも疾くバロールが海上へと追い抜き落下する敵を待ち受ける!
「フィニイイイイッシュ!」
三発目の竜の蹴りが触手モンスターのど真ん中をぶち抜けば、自慢の柔軟性も役に立たず極限まで引き伸ばされた綿素材めいて散り散りに四散した!コクピットの中でヘル・マーの後方シートに収まったちまい金髪エルフめいた見た目の戦術制御補助アンドロイドが淡々と現況を報告。
「機体負荷、1%未満。予想戦闘継続時間168時間と15分40秒です」
「当然よ、だがペース配分には気をつけていこうぜ」
「そちらは任せてください」
【魂の灯 -71-:終わり|-72-へと続く|第一話リンク|マガジンリンク】
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