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冥竜探偵かく語りき

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異世界に生息する、数々の人智を超えた超生物。 だが、彼らとて命を失うこともある。謎めいた絶対強者の死因を探るのは、看取り屋とささやかれた冥竜!
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2020年2月の記事一覧

冥竜探偵かく語りき~雷竜輪切り事件~ 第十七話 #DDDVM

そのまま、彼らはワトリア君に中に入るよう促してくれた。 「そういう訳だ、残念ながら年に一…

冥竜探偵かく語りき~雷竜輪切り事件~ 第十六話 #DDDVM

「でも、簡単に神殿内に入れるものでしょうか?」 「祭事の後だから、一般の参拝客として中に…

冥竜探偵かく語りき~雷竜輪切り事件~ 第十五話 #DDDVM

私の脳裏を、在りし日の彼との会話がよぎる。 「ゴルオーン、その様に飛び立つたびに、辺りへ…

冥竜探偵かく語りき~雷竜輪切り事件~ 第十四話 #DDDVM

「それにしても一体どうして、こんな形で悪用することを思いついたんでしょうか……成功すると…

冥竜探偵かく語りき~雷竜輪切り事件~ 第十三話 #DDDVM

異なる世界より召喚された英雄。彼らは時に猛威を振るい、時にはさしたる成果も残せないままに…

冥竜探偵かく語りき~雷竜輪切り事件~ 第十二話 #DDDVM

「さて、ここでようやく殺害方法についての推論が出せると思う。それに莫大な数の神秘について…

冥竜探偵かく語りき~雷竜輪切り事件~ 第十一話 #DDDVM

「まず、実際の祭事の流れ、それから街の構造について調べてみよう」 「祭事の流れは神秘を呼び起こす儀礼、街の構造は陣を維持する為のものかもしれない、ということですね?」 「そうそう、ワトリア君は理解が早いね。素晴らしい」 「ありがとうございます♪」 心なしか、上機嫌な反応を返す彼女と共に、アラクトルム市最大の祭事について調査を続行する。幸いにも、ここにある書物の範囲で求めている情報についてはある程度把握することが出来た。 「まず、アラクトルム市の祭事は7日間の準備、前段期間

冥竜探偵かく語りき~雷竜輪切り事件~ 第十話 #DDDVM

「とすると、結構絞られてきます?」 「ああ、期限としては長くても一ヶ月前まで。といっても…

冥竜探偵かく語りき~雷竜輪切り事件~ 第九話 #DDDVM

「次は、神霊をあたってみよう」 「はい、理由をお聞きしてもよろしいですか?」 「もちろんだ…

冥竜探偵かく語りき~雷竜輪切り事件~ 第八話 #DDDVM

「ここ一ヶ月の間に行われた魔術儀式の記録については、追加されていません」 「わかりました…

冥竜探偵かく語りき~雷竜輪切り事件~ 第七話 #DDDVM

「フェッフェッフェ、そこの君、確か医学部の学生じゃろう。何故魔術書の棚を調べておるんかの…

冥竜探偵かく語りき~雷竜輪切り事件~ 第六話 #DDDVM

例えば、図書館という存在の重要性をあなたは感じたことがあるだろうか。 竜族において知の伝…

冥竜探偵かく語りき~雷竜輪切り事件~ 第五話 #DDDVM

彼女の眼鏡を通して、人間族の街の様子が私の視界に映る。 今私は、自分の住処に戻った状態で…

冥竜探偵かく語りき~雷竜輪切り事件~ 第四話 #DDDVM

幸いな事に、ワトリア君との間に協力関係を築くことが出来た。 竜族や他の魔獣、魔術躯体といった存在だけが相手ならいざしらず、今回の事件についてはそういった連中が相手ではない。人間族を主に聞き込みを行うのであれば、彼女の協力は必要不可欠だ。 ワトリア君もその事は疑問に感じていたのか、すぐに追加の質問を出してきた。可愛らしい挙手と共に。 「シャールさん、もう一つよろしいでしょうか」 「人間に対して聞き込みが必要な理由かな?」 「はい、シャールさんは既に犯人の種族の目星がついてい