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学生フェミニスト、クラブで働く。

アイドルグループのNGTメンバーの山口真帆さんが男性に暴行されたというニュースが今、日本全体で大きく取り上げられている。

その事件があってから、フェミニズムの波が大きくなり"女性蔑視"というワードをここ最近ではかなり頻繁に目にする。

しかし、女性蔑視は最近起きているだけのような トレンドワードではない。

私はシングルマザーの家庭で育つ現役大学生だ。私立に通っているため大学費用は高額で給付型の奨学金を貰いつつ賄えない分は自身のアルバイト代で支払っている。アルバイトは男性を接待するための高級クラブだ。

今まで男尊女卑を感じる事なく育った当時ティーンエイジャーの私には知り得なかったその世界は、あまりにも驚きに満ちていた。

客層の年齢層は平均5、60代の年代の富裕層のお客様たちが多い。私たちキャストスタッフの業務は お酒を注ぎ いらっしゃったお客様を会話をで楽しませる仕事だ。会話内容は様々だが、主に下ネタが多い。

お酒も入ると人間の本性というものがまざまざと露呈する。この仕事で私は多くの男性は女性蔑視したスタンスが当然なのだという事を学んだ。

「私たちキャストスタッフは普段から、お客様から性的対象として見られ、蔑視されている。」それに慣れる事に時間を要した私は、よくトイレに篭って一人で涙を流していた。

以前、酔っ払った私の父親の年齢と大差変わらないようなお客様に

「年齢なんて関係ないし、女なんて気持ちよければ 相手なんて誰でもいいんだろう。だから早く脱げよ」と言われた事がある。私はこれに対して酷く苛立ちを覚えたが、そのお客様はお店の中でも10年以上いらっしゃるお客様で お店側は失礼のないようにしなさい、と言ってから私を席につけた。そのため席を立つ事はできず お客様のいう下ネタを上手く会話でかわしつつ足の間を触られそうになりながら、180分の時間を隣で過ごした。

父親の年齢と大差変わらないような男性に性的対象として見られるということに苦しさを感じた。そして嫌だという事を相手に伝える事ができない自分に腹立たしさを感じた。

けれど、そういった風景は日常的で 水商売に足を一歩踏み入れた私の価値観というものは男尊女卑を感じる事なく過ごしたティーンエイジャーの日々とは一変した。

キャストスタッフにセクハラをしているお客様に対してフェミニズムを唱えたり、酷く抵抗するような事をすれば 席を外され怒鳴られ、唾を吐かれる。

SNSではフェミニズムに嫌悪感を示して「フェミニストって何でブスが多いの?お前らブスに人権なんてない」などという男性もいる。

私たち女性が明るく過ごしやすい未来を作っていくには、まだまだ時間がかかりそうだ。

#男尊女卑 #フェミニズム #フェミニスト #HEforSHE #差別 #女性差別

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