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本の紹介5_失敗の本質

皆さんこんにちは。
今日は強い組織をどのように作っていくべきかということを分析された本について紹介します。
この本は大東亜戦争において苦しい戦局に立たされた日本軍の作戦を例に、どのような意思決定がなされてきたのか、それはどのような組織的な背景があるのかを分析されたものです。

私がポイントとして感じたものを書いてみたいと思います。

* ポイント
    * 意図、目的の共有は重要であり、簡単に相手に伝わるものではない
    * 新たな知見を得たらそのまま活用するのではなく、自身の文脈に当てはまることが肝要
        * 近代戦に関する戦略論の概念も、ほとんど英・米・独からの輸入であった。もっとも、概念を外国から取り入れること自体に問題があるわけではない。問題は、そうした概念を十分に咀嚼し、自らのものとするように努めなかったことであり、さらにそのなかから新しい概念の創造へ向かう方向性が欠けていた点にある。
    * 上下問わず考えを自由に話せる環境を作ることが成果を出すためには重要
        * 日本軍の最大の特徴は「言葉を奪ったことである」(山本七平『一下級将校の見た帝国陸軍』)という指摘があるように、戦略策定を誤った場合でも、その修正行動は作戦中止・撤退が決定的局面を迎えるまではできなかった。ノモンハン、ガダルカナル、インパールの作戦はその典型的な例であった。
    * 学びを継続する組織を作るためには、評価基準を明確にすることが重要
        * 個人責任の不明確さは、評価をあいまいにし、評価のあいまいさは、組織学習を阻害し、論理よりも声の大きな者の突出を許容した。このような志向が、作戦結果の客観的評価・蓄積を制約し、官僚制組織における下剋上を許容していったのである。
    * 成功体験への固執はイノベーションを阻害する

どのような組織を作っていくことが自身の目指すものなのかということを考える必要はありますが、組織のメンバーが同じ目的を意識して、確実に実行できるようにすることはまず重要かと思います。

また戦略論にもなりますが、戦略の基本は差別化であるので、学んだことをそのまま踏襲するのではなく、自身の文脈に当てはまることで効果を最大化することができます。例えばリモートワークを行っても生産性がほとんど下がらないというようなことを学んだとして、飲食や小売などの業界では店舗の方が必要なので全てを当てはめることができません。どのような働き方をしている人にとってはリモートワークの生産性が維持されるのかを分析し、自身の企業に当てはまるといったことが必要です。

また成果を出すためには、マネジメントなどの上位層だけの意見ではなく、現場を知っている人からの意見(異見)をきちんと発信できる環境を作り上げることも重要です。(元ソニー代表の平井さんもこの点をポイントにされていたとソニー再生でも書かれていました。)

更に組織を成長させていくためには、個人の成長が必要ですが、上司の意見に流されてイエスマンが評価される節があるかと思います。これでは過去が踏襲されるに過ぎないので、何をすれば評価されるのかということを明確にし、それをクリアすることで正しく評価されるという環境を作ることが個々人の成長、ひいては組織の成長に繋がります。

最後に企業、個人が成長していくために、改善や改革が継続的に必要になります(結果的にイノベーションになる)。これを実現するにはこれまでの成功体験に固執せずに常にゼロベースで疑って改善を行う必要があります。例えば、三種の神器として冷蔵庫などが普及率が低かった頃には爆発的に購入されましたが、すぐに買い換えるものではないので一定普及すると新たな購入は打ち止めになります。これまで通り冷蔵庫を淡々と販売していると、低コストで良い商品が作れる中国、韓国製に置き換わっていきました。普及するまでも普及した後では環境が変わっているので、どういうもの、ことを生み出すことが新たな購買につながるのかということを徹底的に考え実行していく必要があります。

ぜひみなさんもご一読ください。

それではまた。

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