『進撃の巨人』がヒットした理由は現代の〇〇だから

アニメ第3期が始まろうとする『進撃の巨人』。脱落した人もまたハマったりと、何だかんだで人気が続いていますよね。

計算されたストーリーが面白い、ギャグの視点が独特、主人公たちにパワーがある等々。確かにヒットする要素はそろっているわけですが、なんだかそれだけでは、普通の面白い漫画というか、あんなに幅広い層から爆発的な人気を得るほどではないと思うのです。特に若い世代の心を燃やすには

個人的にとても印象に残っているのが、アニメのOPを教室で再現した中学生たちの動画です。机や教科書を壁に見立てて、なかなかに『進撃の巨人』の本質をよく突いたものだったと記憶しています。きっと思いついた途端に衝動のままに制作したのでしょうね。そんな純粋さと迷いのなさが見て取れました。おそらくこれこそが、『進撃の巨人』がヒットした理由を表しているのではないでしょうか。

『進撃の巨人』は現代のロックなんですよ。

でかい奴を倒す、自分を囲む壁をぶち破る、この世界の真実をこの目で見る。そういった、現行の体制や支配者に立ち向かう反骨精神と、生きているという実感への欲求。その熱が多くの人間に火をつけたのです。件の中学生たちもその火に突き動かされ、強く共感したからこそ“自分たちの『進撃の巨人』”を作るに至ったのでしょう。あの動画の迷いのなさはすごいですよね。

最近はJ-POPも日和見ばかりで、若者たちにとっては初めて触れたロックが『進撃の巨人』だったのかもしれません。あのOPの超上質な中二病っぷりは、原作のそういった要素をもっとも端的に、かつ鮮烈に表現していました。

やはりいつの時代も、若者を突き動かすのはロックである

もし今、学生運動が起きたら、「俺たちはエレン・イェーガーである」とか、「俺たちは進撃の巨人である」とかって声明を出すんですかね? 出しかねませんよね。それくらいの扇動力のある作品だと思います。

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