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おふくろの味

突然ですが、みなさんにはおふくろの味がありますか?

多くの方がご存知でしょうが、おふくろの味というのは下記の通りらしい。

おふくろの味(お袋の味) 読み方:おふくろのあじ
母親が作った料理、それを食べて育った郷愁を感じさせる家庭料理を指す語。郷土料理の意味合いで用いられることもある。

https://www.weblio.jp/content/%E3%81%8A%E3%81%B5%E3%81%8F%E3%82%8D%E3%81%AE%E5%91%B3

郷土料理的な意味合いもあるのでしょうが、今回はおふくろ・・・お母さん、お父さんなど、この人が作った〇〇がいいという、作り手による味のこだわりがあるのか、この記事を読んでいる人に聞きたい。

もちろん、こんな問いをしている私には、おふくろの味なるものがたくさんあります。実家帰省時は、外食の提案をされても家のご飯がいいと言うほどです。

祖母の出汁付き、きゅうりの酢和え


少しばかり昔語りをさせてもらうと、元々私が育った家は外食が多い方ではありませんでした。田舎ということもあり、家で食べることが多かったのです。

私が覚える限りで最古の「おふくろの味」経験は、祖母が作る酢和えです。
なんの変哲もない、きゅうりとハムとわかめ、ときどき春雨の酢の和えもの。
酢の酸味と、砂糖の甘さが絶妙で、祖母にしか作れない味。
何度も食べて、何度も何度も祖母に食べたいとリクエストしました。
母も私も大好物な一品で、母が同じ分量、同じ手順で再現を試みても、私たちの求める味とはなんだか違う。
祖母に何が違うのかを聞いても、「手の出汁」なんて言ってまともな回答になっていません。

祖母じゃなきゃダメ。
祖母にしか作れない味。
初めて作り手にこだわりを持った瞬間でした。

単純で複雑なインスタントのカフェオレ


印象深いのは、カフェオレ。

私の実家は、ブレンディのインスタントコーヒーのヘービーユーザーです。しかし、私はコーヒーを飲むと胃が痛くなる体質で、小さい頃からもっぱら牛乳を混ぜてカフェオレにしていました。
母がコーヒーを飲むついでにカフェオレを作ってくれて、なんとなく母の作る味が自分にとって一番美味しい味になりました。

大学へ進学して、一人暮らしを始めて。
いつもの習慣でカフェオレをいざ作ろうとしたら、全くいつもの味じゃない。同じ手順、分量、そしてインスタントコーヒーに混ぜるだけなのに、同じ味に全くならなくて、衝撃的でした。

一人暮らしも随分長くなりましたが、いまだに自分が作るカフェオレには納得ができません。実家に帰るたびに、母が作るカフェオレが飲みたくなってしまうのです。

じっくりことこと、トマト煮


実家に帰るたびに、絶対食べたいご飯ランキング第1位のトマト煮。
ごろごろお肉、パプリカ、じゃがいも、たまねぎをトマトペーストでじっくり煮込んだ料理です。

思い返せば、子供のころはこの料理に対して、カフェオレや酢和えほどのこだわりはありませんでした。
そんなトマト煮がおふくろの味になったのは、幼馴染の大好物だったから。
小学校来の幼馴染は私の母が作るトマト煮が大好物で、遊びに来るときに食べたいといつもリクエストしていました。
帰省のたびにその幼馴染と遊んでいたので、必然と食べるタイミングも増えて、自分も食べずにはいられないほどの存在になったようです。

トマト煮は帰省のたびに食べるものだから、実家が恋しくなると無性に食べたくなります。
忙しくて帰れない時に、自分で作ろうとするも、全く違う味になり、余計に帰省したくなったことが、何度も。
おかげさまで、ここ数年は自分で作ることもしていませんでした。


そろそろ正解?まだまだ不正解。


そんなトマト煮は母の味を食べてなんぼな私ですが、
「トマト煮を今なら作れるかもしれない」
そんなタイミングが急にやってきたのです。

うろ覚えに食材の買い出しに行き、鶏肉、玉ねぎ、パプリカ、じゃがいもを切って炒めて煮込んで。
母が台所に立つ時、どんな調味料があっただろうか。
記憶を辿って、心当たりのある調味料を鍋に突っ込んでみる。

水気がなくなり、野菜もくたくたになったところで一口味見。

採点結果は70点。
歴代最高点です。

もう一踏ん張りできたら、大好きなあの味。
何が足りないのか、全くわからないのがもどかしい。
でも、多少なりとも正解へ近づいているんです。

だからなんだという話ではありますが、おふくろの味を食べた分だけ、体に染みこんでいるんだろうなと。
改めて自分が大人になったのだと、一人でしみじみしました。

結局何が言いたいのかわかんなくなったのですが、
あなたにとってのおふくろの味はなんですか?
ノスタルジックな気持ちになりたい方はぜひ再現チャレンジおすすめです。

花粉症が辛いので、この辺でごきげんよう。


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