『大きな森の小さな家』レビュー
『大きな森の小さな家』
ローラ・インガルス・ワイルダー(著) 足沢 良子(訳) むかい ながまさ(画)
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これ、有名なアメリカのTVドラマ『大草原の小さな家』の前編にあたる本なんです。
日本でも昔『草原の少女ローラ』というタイトルで世界名作劇場でTVアニメ化したことがあるとか。ご存知の人もおられるかも?
冒頭で「むかしむかし、今から百年以上もまえ」と書かれています。原作では「今から六十年以上まえ」と書かれていたそう。原作が出版されたのは1932年ですから、1932ひく60で、1870年代のお話ということです。うわあ、2020年から見ると150年前ですよ。
その頃、北アメリカ、ウィスコンシン州の「大きな森」の、丸太づくりの小さな家に、5歳の小さな少女ローラが、父さん、母さん、姉のメアリイ、妹(まだ赤ちゃん)のキャリーと一緒に住んでいました。
この本は、著者のローラ・インガルス・ワイルダーさんが、実際に少女時代に体験したアメリカ西部開拓時代の「大きな森」での出来事が描かれています。
なにしろローラはまだ5歳ですから、あらゆることが初めての体験で、好奇心にあふれる視点が可愛らしいのなんのw
そして、彼女から見た西部開拓時代の描写がまた良いんですよ。
今から見ると、なんていうかとても異世界生活感。
電気や電話なんてもちろんないし、たいした機械も自動車もない。すべて人力と馬力です。
実際にあったことだから当然とてもリアルなのですが、この生活感がすばらしいのです。
バターやチーズはもちろん、猟につかう弾丸すらすべて手作り。
そりゃあ今からみるととても不便で大変な生活なんでしょうけれど、どのシーンもとっても幸せそうで、厳しいけれど豊かな自然の恵みをいただいての生きるよろこびに満ちあふれています。
ああこれがアメリカ人の精神の原点でありフロンティア・スピリットであり、きっと、「帰りたい家」のイメージなんだろうなあというかんじです。
この本のあと、「インガルス一家の物語」シリーズは全9冊出ています。この9冊を揃えると、ローラという一人の女性の人生とインガルス一家の一代記を描いた大河ドラマになる、そうなのですが、残念ながら日本語に訳されているのは前半の
①大きな森の小さな家
②大草原の小さな家
③プラム・クリークの土手で
④シルバー・レイクの岸辺で
⑤農場の少年
の5冊のみ。(※追記:調べてみましたらすべて訳されているようです(∩´∀`)∩☆ 後述します)
それでも、5歳だったローラが13歳になるまでの物語がつまっています。どれか一冊だけでも十分面白いのです。けれど、何冊か続けて読むと、年月を経て成長していく少女の人生がずしりと感じられてとても味わい深いのです。
児童書と侮らず読んでみることをおすすめします。
あー、続き読みたい!!w
私は↑の草炎社さん版と、福音館書店の
こちらで読みましたが、講談社青い鳥文庫で出た
↑や、角川つばさ文庫の
こちらの版も表紙がとっても可愛らしくて良いですねw
訳も変わっているようなので、こちらの版も読んでみようかな〜?
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追記:「ローラ物語シリーズ」
私の読んだ福音館書店の本ではありませんが、岩波少年文庫さんから「ローラ物語シリーズ」として、「インガルス一家の物語」の続きがでているそうです!
⑥ 長い冬―ローラ物語〈1〉
⑦ 大草原の小さな町―ローラ物語〈2〉
⑧この楽しき日々―ローラ物語〈3〉
⑨はじめの四年間―ローラ物語〈4〉
なので、この順番↑で読めば、全巻日本語で読めるということですね!(∩´∀`)∩☆
やったー!(∩´∀`)∩☆
お楽しみがふえました☆
ゆっくり続きを探して読んで見ることにします☆
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