『メアリ・ジキルとマッド・サイエンティストの娘たち』レビュー
『メアリ・ジキルとマッド・サイエンティストの娘たち』
シオドラ・ゴス(著)/鈴木 潤(翻訳)
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ヴィクトリア朝時代のロンドンで、父に続いて母も失くし、途方に暮れた令嬢が、屋敷に残るメイドや召使いたちに(もうお給料が出せないからと)これ以上世話をしてくれなくてよい、と、解雇を知らせる場面から物語はスタート。
この令嬢こそ、誰あろう、本書のヒロイン主人公のメアリ・ジキル。あの、ジキル博士の娘なのです。ジキルがいるならハイドもいる、ということで、彼女は殺人犯として指名手