選択と幸福感

前の記事で、選択肢が多いほど良いわけではないという話をしました。

選択肢が多ければ多いほど幸せになれるわけではない。じゃあ何が幸せに結びつくのか?という話をします。

まずは「複数の選択肢からどれかを選ぶ上で重要なことは何か」を考えます。

それは、自分が選んだ選択肢が、他の選択肢よりも劣っていた、という気持ちを出来るだけ少なくする、ということです。

なぜ「気持ち」の話をするかというと、幸福感は主観的なものだからです。

「良い選択肢」は主観的な基準でしか測ることは出来ません。2つの就職先を比較して、年収の額で決めるとハッピーなのか、会社の風土で決めるとハッピーなのかは、選択する本人にしか決めることが出来ません。自分の決めた判断基準で優れた選択肢を選んだ、と思うことが重要なのです。


人生における選択について、私が大好きなTED動画があります。

https://www.ted.com/talks/dan_gilbert_the_surprising_science_of_happiness?language=ja

ヒトは、自分が選択した方の選択肢をより好むような脳の性質がある、ということをいくつもの実験結果から説明しています。是非見ていただきたいと思います。

この動画から私が考えるのは、人間の幸福は、「何を選択したか」によってではなく、「どう選択したか」と「その選択をどう思うか」によって決まる、ということです。

A大学とB大学どちらに進学しようかと考えた時、どちらの大学が良いかを自分なりに考えて自分で決断し、その選択を正解とするような大学生活を過ごす、というのが幸せになりやすい考え方です。

逆に幸せになりにくい考え方は、塾の先生が偏差値の高い方に行けというからそちらに行った、とか親がA大学の方が良いからそっちにした、というような他責的な選択をすること、そして入学してからも、ああ行かなかった方の大学に行けばよかった、と選ばなかった選択肢に囚われてしまう、というものです。


じゃあ結局は何を選んだって良いのか?そういうことが言いたいわけではありません。

世の中には、当然、明らかに良い選択肢と悪い選択肢があることだってあります。右の道に行けば宝くじに当たって、左の道に行ったらドブに落ちるのであれば、右の道を選ぶでしょう。

でも私たちが人生で下す決断はそんなに簡単なものばかりではありません。どれが良いかわからない選択肢の中から、なんとか一つを決断して手探りで進んでいく、そんなことの繰り返しです。

しかし幸いなことに、世の中には絶対的に正しい選択肢はなく、自分の幸せは主観的に決めることができ、そして私たちの脳みそは自分が選んだ選択が自分の好みだと考える気まぐれな性質を持っているのです。

限られた選択肢の中から自分の意志でどれかを選び取り、その選択を後悔しないように生きることが、幸福への王道だと思うのです。


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