人生に「やりたいこと」は重要なのか

「やりたいことがない。」「やりたいことが見つからない。」「やりたいことがわからない。」

高校生や大学生から、大人からであってもそういった悩みを聞くことはよくある。Googleで検索したら、そんな人達のためのTipsがわんさか出てくる。検索してみてぎょっとした。

この記事は、そんな悩みを持つ人や、そんな悩みをぶつけられる人に、やりたいことを見つける方法ではなく、「その悩み方がおかしい」という意見を表明するものだ。

まず、この悩みには前提となる命題があり、それを認識すべきだ。

その命題とは、「人生においてやりたいことがないと幸福ではない」だ。

まずこの命題が正しくない。やりたいことがわからない状態でも、幸せになれる。そういった人は世の中にいっぱいいる。この人たちは、やりたいことがある/ないで自分の人生を評価していない。

次に、「やりたいこと」を求める人が勘違いしていることがある。それは、「やりたいことを見つける(あるいは気づく)」→「それをやる」→「幸せ」という順で物事を考えていることだ。何かを始めることに必然性を求めていると言える。

この順番でやりたいことをやっている人は殆どいない。ほぼ全ての「やりたいことをやっている人」は、行動が先だ。なにかやる→やってるうちに面白くなる→面白いからさらにやる→さらに面白くなる、というサイクルそのものがそれをやり続ける理由になるのであり、最初のきっかけに必然性なんてない。将棋棋士に、別にチェスでも良かったんじゃないですか?と質問することに意味がないようなものだ。


僕が「やりたいことがないんです」と悩み相談をされたらどうするか。

回答は「別にそれでいいんじゃない?」だ。やりたいことがないという気持ちを受け入れて、何か楽しいことが見つかったら良いな、くらいの気持ちで生きていく方が、よっぽど幸せに近づいていると思っている。

そんなわけで誰も悩みを相談してこない。

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