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卒業

山の登り方を教えようとしてくれた人がいた。


1つの道のりを示すのではなく、

山を登るための、どんな道具があるか、

どうやって道を見つけていくのか、

そんなことを。


最短経路が、最適な道とは限らない。

そんなことも。


大丈夫。

私は、私の道を歩いていく。


もう地図の見方はわかる。


地図が、雨風で汚れてぐしゃぐしゃになった時も、なんとかする。


踏ん張れる。


良いところで、杖を離しておかないと、杖なしで歩くのが不安になりすぎちゃうから。



山の途中で、別な道を行く見えない仲間に手を振ろう。



向こうに気づかれなくてもいい。


手を振ることで、感じることで、私はまた、自分自身を励ますことができるから。


そして、足元を見れば、土がある。

草がある。

花がある。

石がある。

雪がある。


私はまた、仲間を作っていける。


楽しい。


子育ても、同じかな。



おらおらでしとりえぐも

宮沢賢治『春と修羅』より
臨終のとし子の言葉


どんなに幼い子でも、人間は死ぬ時まで、1人で決めていかなければならない。

そんな強さを感じる、好きな言葉です。

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