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相手に理解して欲しいなら、最初は自分の話をするな!【7つの習慣5-②】

第5の習慣
まず理解に徹し、そして理解される

まず必要なことは

相手の身になってきくこと

相手の言葉だけを聞くのではなく
声のトーン、身振りまで見て
相手の気持ちになりきること

…であるという話をしました。

今日は、相手の話を聞いたとき
私たちがやってしまいがちな
落とし穴

自叙伝的反応について紹介します。

四つの自叙伝的反応

私たちはえてして、自分の過去の経験、いわば「自叙伝」を相手の話に重ね合わせてしまうため、人の話を聞く際に次の四つの反応をしがちになる。

・評価する──同意するか反対するか
・探る──自分の視点から質問する
・助言する──自分の経験から助言する
・解釈する──自分の動機や行動を基にして相手の動機や行動を説明する

Kindle位置No.5237

評価、探る、助言、解釈…

これらは、私たちが
自然にしてしまう反応
です。

ですが、これらをしているうちは
相手を「理解」することは
できません。

ある親子の会話が
一例として紹介されています。

とても、ありがちな会話です。

()内が息子の心の中です。

「父さん、学校なんてもういやだよ。くだらないよ」
(父さんと話がしたい。ぼくの話を聴いてほしいんだ)

「何かあったのか?」
(関心を持ってくれた。いいぞ!)

「全然現実的じゃない。何の役にも立たないよ」
(学校のことで悩んでいる。落ち込んでるんだ)

「まだ学校の大切さがわかっていないだけなんだ。父さんもおまえの年頃にはそんなふうに思っていたものさ」
(あーあ、また父さんの自叙伝第三章だ。ぼくはそんな話をしたいんじゃない。長靴も買ってもらえずに雪の日に何マイルも学校まで歩いたって話、ぼくには関係ないんだ。ぼくの問題を話したいんだ)

「こんなのは時間の無駄だと決めつけていた授業もあった。だがな、その授業が今一番役に立っているんだ。だから頑張れよ。もう少し時間をかけてみないと」(時間で解決する問題じゃないんだ。父さんに話せたらなあ。洗いざらい話してしまいたいのに)

「もう一〇年も学校に行ってるんだ。XプラスYなんかやったって、自動車の整備士になるのに何の役に立つわけ?」

「自動車整備士になるだって?冗談だろ」(ぼくが自動車整備士になるのは、父さんは気に入らないんだ。高校を中退するのも気に入らないんだ。今言ったことを何としても認めさせないと)

「冗談なんかじゃない。ジョーだってそうだよ。学校をやめて整備士になったんだ。結構稼いでるんだぜ。そのほうが現実的だと思うけどね」

「今はそう思えるかもしれないが、あと何年か経てば、ジョーだって学校に行っていればよかったと後悔するに決まっている」
(『教育の価値を巡る考察』の第一六回講義を聞かされる)

「おまえだって本気で自動車整備士になりたいと思っているわけじゃないだろう」(何で父さんにわかるわけ?ぼくの本当の気持ちなんかわからないくせに)

「ちゃんと勉強してもっといい仕事を探さなくちゃだめだろう」

「そうかなあ。ジョーはちゃんと将来のことを考えて決めたみたいだけど」(ジョーは落ちこぼれじゃない。学校は中退したけど、落ちこぼれなんかじゃない)

「おまえ、学校で本当に努力したのか?」(これじゃ堂々巡りじゃないか。父さんがちゃんと聴いてくれさえすれば、本当に大切なことを話せるのに)

「高校に入ってもう二年だよ。努力はしてきたさ。でも高校なんて無駄だね」

「立派な高校じゃないか。有名校だぞ。もっと学校を信用しなさい」(これはこれは、今度は信用の話か。何でぼくが話したいことを話させてくれないんだ!)

「他のやつだってぼくと同じ気持ちだよ」(ぼくの言うことだって信じろよ。低能じゃないんだから)

「おまえを今の高校に行かせるために、父さんも母さんもどれだけ大変な思いをしたかわかってるのか」(おやおや、今度は罪悪感で責める気か。はいはい、ぼくは馬鹿なんでしょう。学校は立派、父さんも母さんも立派。そしてぼくは馬鹿息子ですよ)

「せっかくここまで来て、やめるなんて絶対に許さないぞ」

「いろいろ大変だったのはわかってる。だけど、ほんとに無駄なんだ」(父さんにはわからないだろうね)

「おい、テレビばかり見ていないでもっと宿題をしたらどうなんだ。そんなふうだから……」(父さん、そういう問題じゃないんだよ!そんなんじゃないんだ!もう父さんには何も話さない。父さんなんかに相談しようとしたぼくが馬鹿だった)

「もういいよ、父さん。これ以上話したくない」

Kindle位置No.5294

評価、探る、助言、解釈の
オンパレードになっています。

その結果
全く息子の気持ちには
寄り添えておらず
最後には投げ出されてしまいます

私たちの普段の会話は
こんな状態になっている
…ということです。

「理解に徹する」段階に
おいては自叙伝的反応は
ご法度
なんです。

傾聴の4段階のスキル

じゃあ、相手を理解するためには
どうしたらいいのでしょうか。

答えは、傾聴を行えばいいんです。

傾聴には4段階あります。

1、相手の言葉をそのまま繰り返す

相手が使った言葉を
そのまま使って返す…
ということです。

「私、もう仕事に行きたくない」
「そうなんだ、仕事に行きたくないんだね」

…といった具合です。

これであれば、
評価、探る、助言、解釈の
いずれも行っていません。

相手の言葉に注意を向けている
という姿勢は伝わります。

ただ、これではまだ
理解には足りません。

2、自分の言葉に置き換える

「私、もう仕事に行きたくない」
「そうなんだ、働きたくないんだね」

単なる繰り返しからは
一歩進んだ状態です。

どういう意味で相手が
それを言ったのかを考えて
自分の言葉に置き換えます。

論理的な考えによるものなので
左脳を働かせている感じです。

3、相手の気持ちを言葉にする

「私、もう仕事に行きたくない」
「そうなんだ、辛いんだね

相手の気持ちを分かろうとする姿勢です。
右脳を使って想像する必要が
でてきます。

そして、4段階目は
2と3の組み合わせです。

左脳、右脳両方を使って
自分の言葉に置き換えつつ
相手の気持ちも言葉にします。

「私、もう仕事に行きたくない」
「そうなんだ、
 辛くて、もう働きたくないんだね

これは非常に難しいことです…が
もし、このコミュニケーションが
できるようになれば
非常に効果が大きくなる。

相手が相手自身の考えや感情を
整理する手助けができるように
なってきます。

相手は「わかってくれている」と
感じて、より、内面を出して
話しやすくなっていくでしょう。

逆に、この状態に達することなく
相手に助言をしても
何の意味もありません。

助言は、相手が信頼してくれていてこそ
相手に響くようになります。

まとめ

「理解する」段階では
自叙伝的反応(評価、探る、助言、解釈)
は不要である。

まずは傾聴を行って
相手に心を合わせよう。

傾聴の4段階のレベルは

1、相手の言葉をそのまま繰り返す

2、自分の言葉に置き換える

3、相手の気持ちを言葉にする

4、2+3の組み合わせ

である。

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