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人類の歴史は「時間を○○すること」を求め続けていた!

こんにちは。
学生時代は歴史にあまり
興味をもっていませんでした。
らるです。

人類の歴史…というと
どんなイメージがあるでしょうか?

昔は狩りをしていて
そのうち農耕をするようになって
蒸気機関を使うようになったり
電気を使うようになったり…と
様々な革新を重ねて
今に至っている…というのが
大体のイメージではないでしょうか?

実は、これらの進歩は
一言でまとめると…


人類の歴史とは、「時間を早回しにすること」

こちらの本は
長年エネルギー業界で働いてきたという著者が
「エネルギー」の切り口で
「世界」を見ていく
、という本です。

私たちが生きている「この世の中」は、実のところ全てエネルギーによって構成されているのです。

古舘恒介. エネルギーをめぐる旅――文明の歴史と私たちの未来 (p.3). 英治出版株式会社. Kindle 版.

世の中は全てエネルギーで構成されている

と、著者は言いきってしまっていて
正直最初は「ホントかな?」と
思ってしまいましたが

実際最後まで読んでみると
「なるほど!」と思える部分が沢山あり
「全てはエネルギー」という見方も
できると思えるようになりました。


そして、本書で紹介されている
「人類の歴史」の進歩というのは
「時間を短縮すること」だ

というわけです。

本書では「5つのエネルギー革命」
紹介していますので
それらと「時間の短縮」の関係を
見ていきます。

 第一次エネルギー革命となった火の利用は、「料理」という形で食べ物の咀嚼にかかる時間を劇的に減らしました。野生のチンパンジーは、一日のうち六時間以上を食べ物の咀嚼に充てています。私たちは三食食べても、合計二時間もあれば十分事足ります。
(中略)
 第二次エネルギー革命となった農耕生活への移行は、余剰食料を生みだしたことで、食料生産に従事しない社会の支配層や、冶金などの特殊技能を持つ職人層を生みました。農耕生活への移行は、社会全体でみれば食料生産に費やす時間の短縮につながっています。きつい農作業を一部の人間に集中的に負わせることで他の人間が得た自由な時間が、文明興隆の原動力となりました。
 第三次エネルギー革命
となった実用的な蒸気機関の発明は、産業革命の原動力となり、今日にまで至るエネルギー大量消費社会の扉を開きました。
(中略)
自動車や飛行機も爆発的に普及していきました。こうした動力を持つ乗り物の出現と普及によって人々の移動にかかる時間は劇的に短縮し、結果として人々の移動はより活発になりました。
 第四次エネルギー革命となった電気の利用によっては、距離の壁が取り払われました
(中略)
現代社会においてもテレビ放送や携帯電話、インターネット技術など、情報通信ネットワークの中枢を担い続けています。こうして人類は距離の壁をも取り除き、実際の移動を伴わずとも世界各地の情報を得たり意思疎通ができるようになりました。
(中略)
 第五次エネルギー革命となった人工肥料の発明では、自然界が定めた生命体への窒素供給の制限を粉々に打ち砕きました
(中略)
効率的な農業経営によって、さらに多くの人々が農作業から解放されることになりました。

古舘恒介. エネルギーをめぐる旅――文明の歴史と私たちの未来 (p.249). 英治出版株式会社. Kindle 版.

まとめの文章を
さらに削って引用しましたが
それでも長いので
整理すると…

第一次エネルギー革命
⇒火の利用:食べ物の咀嚼時間の短縮

第二次エネルギー革命
⇒農耕:食料生産時間の短縮→支配層、職人層の誕生

第三次エネルギー革命
⇒蒸気機関:移動時間の短縮

第四次エネルギー革命
⇒電気:移動を伴わない意思疎通

第五次エネルギー革命
⇒人工肥料:食料の大量生産→さらなる食料生産時間の短縮

こうして見てみると

人類の歴史とは、「時間を短縮すること」、いいかえるならば「時間を早回しにすること」に価値を見出してきた歴史であるともいえます。

古舘恒介. エネルギーをめぐる旅――文明の歴史と私たちの未来 (p.251). 英治出版株式会社. Kindle 版.

著者がこう述べる意味が
分かってくると思います。


時短
効率的

という言葉に良いイメージを
もつ人は多いと思います。

実際エネルギー革命を通じて
その「良いイメージ」に
近づくように人間の歴史は進んできた
んです。

ただ、その裏には
地球のエネルギー資源を
ドンドン使っていた
…という事実があり

実際に今、問題になりつつあるということも
皆さんご存知かと思います。

このまま進んでいいものかどうか…という
岐路に、人間は立たされているわけです。


ときには、このように
歴史を振り返ってみた上で
これからを考えるのも
いいかもしれません。

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