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学問の3分類 倫理学は厳密か?【ニコマコス倫理学②】

こんにちは、らるです。

学問…というと
色々ありますよね。

学校でやってきたような
国語、数学、理科、社会…

大学まで行くと
もっと多様に分岐していったりもしますが

これらの学問を分類するとしたら
どうなるでしょう?

今日は、学問の3種類について紹介します。


アリストテレスの3分類

アリストテレスによれば
学問は3つに分けられるのだと言います。

日本放送協会,NHK出版. NHK 100分 de 名著 アリストテレス『ニコマコス倫理学』 2023年 10月 [雑誌] (NHKテキスト) (p.27). NHK出版. Kindle 版.

理論的学
実践的学
制作的学

この3つです。

理論的学が、一番わかりやすそうですね。

1+1=2です。

誰がいつ、やっても答えは変わりません。

不変なものを探求する…という意味では
学問のイメージに近いかもしれません。


次の、実践的学は
「たいていの場合にそうであるところのもの」
と、ちょっと煮え切らない言い方
をしています。

「倫理学」もこの分類に入ります。


なんで、こんな煮え切らない言い方に
なってしまうのかと言えば、それは

「一般にいい」とされていることからも
悪いことが起こるから
…というわけです。


例えば、「富」

わかりやすく、お金としてもいいかもしれません。

お金がないと、辛い目に合います。

ここは、否定する人は居ないでしょう。

ですが一方で、お金はあり過ぎても
欲望が際限がなくなって身を亡ぼしたり

あるいは、強盗にあって殺されてしまう
なんてことにもなりかねません。

富があれば常に良い
とは、言えないということです。

これが、「たいていの場合にそうである」の
煮え切らなさにつながっています。


とはいえ、アリストテレスは
「だから、場合によっていろいろだよね」では
済まそうとせず

必然の真理ではなくとも
「たいていの場合はいい(あるいは悪い)」
というものを追い求めた
、ということです。


厳密ではなくとも
大抵の場合に当てはまるなら
それは使えるよね

…というのは、まさに「実践的」だと
言えるでしょう。


倫理学を学ぶ場合には
この感覚が大事だ
、というわけです。


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