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人的資本経営って? 採用にも影響あるの?

難しい言葉を聞くと
とりあえず聞かなかったことにしたくなります。
らるです。

今日は「人的資本経営」についてです。

そもそも、この「人的資本経営」という言葉を
聞いたことがあるでしょうか?

私は、会社でマネージャー層が話しているのを
耳にしたことはある…程度の認識でした。

イメージとしては

「人が資本…って、いままで散々言っている
『人を大切にする』というのと変わらないのでは?」

と思っていましたが、実は全然違いました。


人的資本経営は「野球チームの経営」のイメージ

人的資本経営とは、人材を「資本」として捉え、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上につなげる経営のあり方です。

https://www.meti.go.jp/policy/economy/jinteki_shihon/index.html

これが経済産業省の定義ですが
正直、これだけだとよくわかりませんよね。

こちらの本では、『マネー・ボール』を例に、
人的資本経営を分かりやすく教えてくれています。

 アスレチックスは、いきなり野球選手を何十人も集めるようなことはしません。個別具体的な能力に着目して、ピンポイントで獲得しにいきます。もちろんデータ分析にもスカウト活動にもコストがかかります。選手の獲得には移籍金や年俸が発生します。
 それでも適正なコストは積極的に投じていく。なぜなら、獲得した人材がコストを上回る利益を生み出すと考えているからです。人材は投資の対象=人的資本なのです。

 人的資本で考えれば、人を獲るのは「仕組みを回すための欠員補充」ではなく「勝利のための能力の補強」です。そういう意味では、人材という抽象的な言葉で「適材適所」をするにとどまらず、より具体的に「適能適所」をめざすのが人的資本の活用だといえるでしょう。

上林 周平. 人的資本の活かしかた 組織を変えるリーダーの教科書 (p.33). アスコム. Kindle 版.

要は、人的資本経営においては
人=資本=投資対象 なわけです。

この人の獲得には幾ら使ったけど
~~の能力で貢献してくれるから
コスト分回収できる!

といった形です。

逆に、現状の「新卒一括採用」というのは
個々の能力は、ハッキリ言って「関係なく」
とりあえず「優秀そう」な人を取って、
あとは自分の会社の中で
都合のいいポジションに入れるように
育てていく…

といった形になります。

ここで、野球チームをイメージすると
分かりやすいと思うのですが

野球チームでは
「とりあえず何人も取って、後から何をしてもらうか考える」
ではなくて
「うちのチームに足りないのは
速球派の先発投手だから
~~のチームの、○○を採ろう!」

と、ピンポイントで狙いに行きます。

これを、普通の会社もやっていく必要がある
…というわけです。


なぜ、一括採用がダメなのか?

 大手企業の新卒社員には、能力や実績に比して総じて高い給与が支払われますが、それは長期雇用を前提に後々回収していくはずのコストです。途中で退職されてしまうと回収しきれず、コスパがよかったはずの新卒一括採用が途端に割に合わなくなります。

上林 周平. 人的資本の活かしかた 組織を変えるリーダーの教科書 (p.32). アスコム. Kindle 版.

なぜ、一括採用がダメかというと
割に合わないから
です。

終身雇用の前提が崩れた今
途中で抜けてしまうことは珍しくなくなりました。

教育に使ったコストを回収できない時代になった
ということです。


こういった背景があるので
これからは、採用の形も、いままでのような
「なんとなく優秀」な人を採る
新卒一括採用はだんだんと減って
「はっきりとしたスキル」を持った人が
新卒、中途関係なく採られていく…という時代に
なっていくのかもしれません。


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