『大いなる健康』とは 【ニーチェ事典】
聖なる心、神、神の国、そうしてまた純粋な精神、永遠の真理など、こうしたありもしない「背後世界」すべてが、そもそもは病み疲れた肉体の創作物、自己自身に絶望した肉体の妄想ではないのか
(中略)
すべての精神的な現象を健康な、ないしは病める肉体の「徴候」として見る。そしてすべての「背後世界」が消え、新しい価値の創造が始まるべき今、最も必要とされるのは健康な肉体、「大いなる健康」だというのである。
『縮刷版 ニーチェ事典』P60
「背後世界」…つまり
私たちの思い込み、
社会からの押し付けのようなものは
そもそも「病み疲れた肉体の創作物」だ…
=健康が足りないから生まれた
というのが、ニーチェの主張なわけです。
以前にも紹介しましたが
「背後世界」にあるような
私が絶対に従うべき価値観
…なんてものは存在しないわけです。
たとえば、
いい会社に入るのがいい とか
早く結婚して子供を産むのがいい とか
謙虚でいるほうがいい とか…
そういうのは全部、私たちの思い込みだ、と。
こういった
「思い込み」に縛られる必要はない
…と気づくと
救われる人が居る一方で
生きる意味を見失う人も
出てくるわけなんですが
ここで必要になるのが
「大いなる健康」というわけですね。
…
『大いなる健康』とは?
「大いなる健康」とは単に肉体的健康だけをいうのではなく、「勇気」「試みる精神」「新鮮な本能」「笑い」などが同時にイメージされていることがわかる。
前掲書 P61
単に「健康」というと
肉体的なものを指すとイメージしますが
『大いなる健康』には、それだけでなく
「勇気」「試みる精神」「新鮮な本能」「笑い」
が含まれているというわけです。
たしかに、これらはまさに
「新しい創造」のために必要なもの
…という感じがしますね。
…
私自身は最近、腰痛に悩まされて
肉体的な健康も若干危うい状況ですが
「勇気」「試みる精神」
「新鮮な本能」「笑い」
これらを自分の中から掘り出して
「大いなる健康」を実現すべく
日々を積み重ねていこうと思います。
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