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コンサル会社でも「予測は不可能」

未来を予測して、対策を立てたい

そういう思いは、誰しもが
持っているでしょう。

ですが、これまでの
様々なデータを持ち
知見を持ち
分析する手法に長けていようとも

そもそも「予測は不可能」なんです。


予測というのはもともと「予測し得ないようなこと」が起きると大変困るからこそやるわけですね。ここ数年のあいだ続いている状況の延長線上に未来があるのであれば、誰も予測など必要としません。

山口 周. ニュータイプの時代 (p.71). ダイヤモンド社. Kindle 版.

予測は「予測し得ないようなこと」が
起こると困るから、やる

これはもっともですね。

今の延長線上にある未来…というだけなら
たいそうな予測なんてしなくても
勝手に想像できてしまいます。

 しかし当たり前のことですが、「予測し得ないようなこと」は予測できません。だって予測できたら、それはすでに「予測し得ないようなこと」ではないわけですから。

山口 周. ニュータイプの時代 (p.71). ダイヤモンド社. Kindle 版.

予測出来たら
予測し得ないようなことではない

確かに、これももっともです。

予測し得ないようなことを
予測するのは不可能

というのは、言葉の意味を
そのまま理解すれば
本当に当たり前のこと、という気がします。

 経営における未来予測では、いわゆる「シナリオプランニング」の手法が用いられます。これは「過去に起こった最悪の出来事」に着目して「ワースト・ケース・シナリオ=最悪のシナリオ」を作成し、そのシナリオを用いて将来のリスクを試算するという未来予測の手法です。いわゆる「ストレス・テスト」と呼ばれる手法ですが、ここまで読んで、このやり方には「本質的な矛盾」が含まれていることに気づきますか?

山口 周. ニュータイプの時代 (p.71). ダイヤモンド社. Kindle 版.

コンサルが行うような
経営の未来予測では

「過去に起こった最悪の出来事」に
着目してシナリオを作る
そうです。

この方法の本質的な矛盾というのが…

 そう、過去に起きた「最悪の出来事」というのは、それが起きた時点において、当時の「最悪の出来事」よりもさらに悪い、未曾有の出来事だったということです。いろいろと書いてきましたが、つまり「予測は難しい」どころの話ではなく、そもそも「原理的に不可能だ」ということです。

山口 周. ニュータイプの時代 (p.71). ダイヤモンド社. Kindle 版.

その「最悪の出来事」というのは
それが起きた時点での「最悪」よりも悪い
「過去に例を見ない悪さ」だった

ということです。

つまり、「過去の最悪」を基準にしている時点で
これから来る、「新たな、より悪いもの」
には
対応しようがない…ということですね。

要は、繰り返しになりますが
「予測は不可能」ということです。


必要なのは、予測でなく「構想」

 ニュータイプは予測ではなく、構想します。「未来がどうなるのか?」ではなく「未来をどうしたいか?」を考えるのがニュータイプだということです。
 今、私たちが暮らしている世界は偶然の積み重ねでこのようにでき上がっているわけではありません。どこかで誰かが行った意思決定の集積によって今の世界の風景は描かれているのです。それと同じように、未来の世界の景色は、今この瞬間から未来までのあいだに行われる人々の営みによって決定されることになります。
 であれば本当に考えなければいけないのは、「未来はどうなるのか?」という問題ではなく「未来をどうしたいのか?」という問題であるべきでしょう。

山口 周. ニュータイプの時代 (p.67). ダイヤモンド社. Kindle 版.

予測が不可能な中では

どうなるか? ではなく
どうしたいか?

これが大事だというわけです。

この「どうしたい」という意思の
積み重ねによって、
世界は作られています。


私自身は、どちらかというと
「どうなるか?」の方を恐れてばかり
居ましたが

もっと「どうしたいか?」の方に目を向けて
これからの人生を楽しく生きていきたいと
思います。

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