おとも

惰眠で生きる

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最近の記事

逡巡

古本屋 手垢、書き込み どちらをとるか

    • 村上春樹はこちらを試す

      わたしは村上春樹の小説が嫌いだった。 実家の本棚には、兄が買った村上春樹の本がびっしりあって、たまに手に取り読んだが、そのたびに「あぁやっぱり好きじゃない」と思った。 読後に「いや、だからなに?」と言いたくなるのだ。「いや、それで結局テレビピープルってなんだったの?教えてよ」「いや、その電話かけてきた女は誰だったの?中途半端だな」「え?おいおい、何も解決しないま終わったじゃん!!なんか分かると思って最後まで読んだのにさぁ!」村上春樹を読んだ後のわたしの顔はいつも曇っていた

      • ラーメンが食べたい夜

         一人暮らしを始めて3年目。人間は、飽きずに毎日空腹だ。不思議だな。 今日は仕事が休みだから、スーパーに食材を買いに行けばいいのだけど、食べたいものが思い浮かばない。人目に触れてもいい「人」の形になるための準備も面倒で、まぁいいやと、布団で過ごす。  町が寝静まった時が、私の空腹のピーク。目を瞑ると、家の近くのラーメン屋が浮かび上がる。明日は早めに起きてラーメンを食べにいこう。それなりに身なりを整えて。  カウンターしかない店内には男子大学生が沢山いるけど気にしない。私

        • 私の仕事は朝の7時に終わる。 14時間働いて、スーツ姿の大人の波と逆方向に進む。この時間から働く人たちは偉いなぁ、私はこの時間からは働けないなぁと思う。 もう歩けないと、3歳の駄々っ子のように嘆く身体を、22歳の私の理性がひっぱって地下鉄の乗り場まで連れて行く。私の意識はもう家の布団の中にいる。数駅のって、改札を出て、半日ぶりに地を踏む。 あぁ眩しい、太陽が眩しい。 荷物が、重い。 いつも家の近くのパン屋にちょっとした列ができている。みな、開店前から並んでいるのだ。

          気配を運ぶのは

          久しぶりに窓を開けて、外の空気を部屋に招く  途端に雨が降ってきて、面倒だからそのまま。 窓の近くの布団が濡れた 窓を閉めて一度眠る。 静かで熱い夜に目が覚める また窓を開ける 近所の焼き鳥屋の匂いが風に乗ってやってきた もう、夏だな 短い夏が始まるな お腹がすいた。

          気配を運ぶのは

          迷い箸、万歳

          実家に帰る片道2時間のバスの中、本を読む。 前へ進む車体に どんどん〈今〉から離れて行く感覚 どんどん〈昔〉に近づいていく感覚 同じ現世の中で切り離された空間、それが実家。 食事にて驚く 白米に対しておかずが何品も。 あぁ、そういえば食事ってこういうものだったなとそこで気づく 「迷い箸」と「贅沢」は類義語だと思う。 現実、わたしの今日の晩ご飯 ゆで卵3個、赤飯おにぎり、プリン、コンビニに売ってる小さなビンに入ったワイン、半額ボックスから発掘した蒟蒻ゼリー

          迷い箸、万歳

          雲が帰る場所は

          〜秋雲と山〜 「やぁ、どうも。君ってずいぶん大きいね。」 「はじめまして こんにちは。ありがとう。」 「僕、さっき生まれたんだ。これからいろんな旅ができるんだって。南から北までいろんな景色が見れるんだ。」 「それは素敵なことだねぇ。」 「君は退屈じゃないのかい?だって生まれてから動けずにずっとそこにいるんだろう?それってきっとつまらないよ。」 「そうかもしれないなぁ。けど僕はここでこの場所をずっと見守ってきたんだ。多くのことは変化する。僕が生まれた時、ここにいた人

          雲が帰る場所は

          「好きなタイプは何ですか?」

          よくある質問 「あなたの好きなタイプは?」 これに対する平均解答 「優しい」「面白い」「一緒にいて楽」「顔がいい」 極め付け 「特にない〜好きになった人がタイプ〜〜」 これらは嘘ではないだろうが、知りたいのはその先だ。人それぞれもっともっと細かいシーンでの一定の「好き基準」があるはずなのだ。 「好きになった人がタイプ」?言いたいことは分かる。けれど、完璧超人と付き合ってた人は、ヒモ男には靡かない。ヤンチャ男子と付き合ってた人は、おとなしめ文系男子には靡かない。 仮に

          「好きなタイプは何ですか?」

          月にちょっかいをかける木

          「なぁ、お月さんよぉ、じぶん何歳なん?」 「へぇ。それにしては綺麗やな」 「なんでそんなに形変わるん?」 「へぇ。それは大変やな」 「その形のあんたに、今度はいつ会えるん?」 「そうか、まぁ気長に待ってるわ。けどな、うちもそろそろ葉がついてまうから」 「もしかしたらまたこうなれるのは来年かもな」 「織姫と彦星やなくて、古木と欠月やな」 星『ロマンチックじゃないな〜』

          月にちょっかいをかける木

          就職活動

          好きなことで生きていく時代が来る らしい。好きなことってなんだろうと考える。大学四年間、私は何をやり通したのだろう。何を見つけたんだろう。 サークルには所属しなかった。高校時代の部活動と同じサークルの見学に行ったけど、ノリが私の性に合わない気がして辞めた。「何かやりな」という周りの声は聞こえないふりをした。 後悔はしてない、けど、やっぱり人と関わる場として何かに所属することって大事だったな。 アルバイトは3年間続けた。これが世に言う私にとっての「ガクチカ」。当たり障り

          就職活動

          カフェで詠む〜赤ちゃん、とは〜

          私の前の席には、赤ちゃんとお父さんが座っている。そうだ、今日は土曜日だ。 余談だが、私は「赤ちゃん」の定義がわからない。私にとっては3歳も4歳も「赤ちゃん」だ。 赤ちゃんはいつから「子供」と呼ばれるのか。「赤ちゃん=幼い子供=赤ちゃん」ではないのか?分からない。 ちなみに、今、ここにいる「赤ちゃん」は3歳くらいの女の子だ。 私の隣には、妊婦さんと旦那さんが座っている。斜め前では、おばあさんが1人でお茶をしている。 なんだか、一生のサイクルを思わせる。 一番気になる客

          カフェで詠む〜赤ちゃん、とは〜

          〜安上がりな味覚〜

          私は、安上がりな味覚をしていると思う。 例えば、 「スタバで飲むキャラメルフラペチーノ」より「家のやかんで作る烏龍茶」が好きで、 「たっぷりイチゴの豪華パフェ」より「スッキリソーダのガリガリくん」が好きで、 「甘くて、さくさくのクッキー」より「無味で、もちもちの白玉」が好きだ。 だから、このブログでは自分がカフェで食べたものがどんな味で、どんな見た目で、いかに美味しかったかというのは書く気はあまりない。否、大概どんなものでも美味しく感じる私の舌では、評価するまでもない

          〜安上がりな味覚〜

          〜勉強の秋、睡眠の秋〜

          学生が2人横に座った。彼ら、教育学部らしい。 現代の教育の問題について話しているが、内容がどうも薄い。 「レポートをやる」といって、1人がパソコンを取り出した。10分もしないうちにカバンにしまった。 「バイトで疲れてる。寝るから15分くらい経ったら起こしてくれ」ともう1人が突っ伏した。5分もしないうちに起きた。 これはもしかしたら、全部

          〜勉強の秋、睡眠の秋〜

          〜こだわり〜

          わたしがカフェに求めるもの、それはなにより「椅子」だ。せっかく長居しようと思っても、椅子のお尻部分が固すぎると、ずっと座ってられないし、かといって柔らかすぎても安定しない。手すりのない背の高いイスは、子供の頃に落ちたことを思い出して怖いし、横長のソファタイプは広すぎて落ち着かない。 また、ちょうど良い座り心地だとしても、店主の意図によって組み合われた「テーブル」が高すぎたり、低すぎたりするとそれはよくない。「椅子とテーブルのバランス」も重要なのだ。読書の際は背にもたれるので

          〜こだわり〜

          カフェで詠む

          「カフェで詠む」なんてお洒落な題名をつけてしまったが、これはどこで読んでもいい。このブログでは、わたしがカフェ(ファーストフード店含む)で見聞きしたこと、感じたことを残していく。 私は、ファーストフード店によく勉強をしに行く。お気に入りは、近所のケンタッキーの二階、外が見える窓際の席だ。そこから見えるものは、向かいのカラオケ店、駐車場、せわしなく歩く歩行者達が一旦停止する信号機。 一見つまらない景色のようだが興味深い。 2階とはいえ高さは低く、さら

          カフェで詠む