見出し画像

読書と秋と王子さま。

秋の少し寒い日は寝室の電気を消して、
部屋の隅っこにある、
間接照明の黄色い明かりを灯して、
ベッドの横の小さな棚に温かい紅茶の入ったマグカップを置いて、
ひんやりした布団に入り、
自分の体温で布団を温めながら読みかけの本を開くのが定番。

これが私の至福な時間。

「1番好きな本は何?」

と聞かれると本当に困る。

今まで読んだすべての本が面白かったから・・・

「印象に残っている本はどれ?」と聞かれたら、

小学生の時に何万回も読んだ、
イギリスの民話「トム・チット・トット」
佐野洋子さんの「わたしが妹だったとき」の2冊です。

「トム・チット・トット」は内容よりも、
カラフルな絵と歌のような文章が好き。
「わたしが妹だったとき」は、
悲しいような、楽しいような、
不思議な世界観が好きでした。

そして大人になってから印象に残っている本は・・・

定番ですが、


「星の王子さま」


この悲しい話はなぜか心に深く刺さり残っています。

私がこの本で一番印象に残っているのは、

「王子さまのバラ」

高校生の時にこの本を読んで「弱い自分」とバラが重なった。

素直になれなくて恋人と上手く行かなかったこと、
幼くて自分勝手で人に迷惑をかけたこと、
本当は寂しくて、孤独で誰かに頼りたかったこと、
誰かに温かく包んでもらいたかったこと。

こんな自分の本当の気持ちが溢れて来たことを覚えている。

星の王子さまがいなくなった後のバラの気持ちを考えると、
心がキュとなりました。

大人になった今でもその「キュ」を覚えています。

そして母親になり読んだ時は、バラは子供と重なった。

世界で唯一の大切な物。
たくさんあるバラでも特別なバラは一つだけだと気が付いた、
王子さまと同じ気持ちになれた。

世界中で読まれているこの本には凄い力があるのだと思う。

そんなことはみんな知っていると思うけど、
今の時代にこそ読むべき一冊だと思う、
なぜなら、人と人との関係が希薄になっている今こそ、
きつねの言っていることが大切だからだ。

地球にはたくさんの人間がいる、
その中で「慣れ親しむ」人が大切なんだと気付かされる。

それぞれの人生が違うから、
同じ本でも読む人により考察は違っている。

面白い本、情報を知る為の本はたくさんあるけど、
心に刺さる本にはなかなか出会えない。

この本は何度読み返しても新しい発見がある、
それは私が成長している証拠だと思う。

時代が変わっても読み継がれる本を書く作者は凄い才能だ!!


としみじみと感じる秋の夜長の夜でした。


「本を読む人はそんなに偉いのか?」
と本を読まない人が言っているのを聞いたことがある。

本を読む人が偉いなんてことはない、
キャンプ、サーフィン、料理と同じ「読書」はただの趣味だから。

しかし、

私の知人で全く本を読まない人たちがいる、
その人たちに共通するのは、
共感力が無いと言うこと。

読書が必要か不必要かと言われたら、
私は「必要」だと答える。

これからは、海外の人やジェンダーレスの人など、
一昔前より色々な人と付き合う時代になるので、
共感力が必要になると思うからだ。


本はトリップ。

一瞬で探偵や殺人犯、妖精に魔法使いと自分以外の何かになれる。
宇宙から来た小さな王子さまとも知り合いになれるし、
パイロットにもなれる。
新しい発見や新たな自分を知ることも出来る。

本を読むだけではなく、
作者の背景を知ることで、さらに深くを読み解くことが出来る。

自分の好きな場所で、ただページをめくっただけで、
トリップ出来るなんて素晴らしいと思いませんか?

本には無限の楽しみがありますよね!!


なんか、
一人で熱くなってしまってすみません(^_^;)

星の王子さまの話しをしたら、
徹夜になってしまうのでここでクールダウンします。

窓を開けて冷えた夜空を見ます、
そして「ひつじがバラを食べたか?食べなかったか?」
考えて見ます。

おわり

この記事が参加している募集

#読書感想文

190,929件

もっと飛躍する為の活動資金宜しくお願い致します。