【偶然とキャリア③】〜ハップンスタンス・ラーニング・セオリー実践のために〜

こんにちは。ryoです。昨日、今日とセンター試験なんですね。自分が受験したときのことを思い出します。ベストを尽くしたいものですね。

近年、自信のない子ども、若者が増えていると耳にします。失敗への恐怖と不安から、物事に対して消極的になってしまうそうです。

原因は、正解を重視する教育だとか、メディアで人がバッシングされている機会をよく見るようになったとか、色々あるそうですが、あまりよくないことですよね。

そんな意味でも、物事に対する考え方の枠組みをたくさん持つことは、この先もっと大事になってくると思います。

キャリアという観点から、考え方の枠組みをたくさん発信できればと思いますので、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます!

前回は「偶然をチャンスに変える」ための5つのスキル(①好奇心②持続性③柔軟性④楽観性⑤リスクテーキング)をお伝えいたしました。

今回は【偶然とキャリア】の3回目です。ハップンスタンス・ラーニング・セオリーを実践する上で必要なことを紹介します。

①、②を読んでいない方は、そちらもご確認いただけると嬉しいです。

【偶然とキャリア①】〜クルンボルツの理論〜
https://note.com/rara0616/n/n50b3f770ce4b
【偶然とキャリア②】〜「やってみよう!」と思える感覚を身につける〜
https://note.com/rara0616/n/n58646fc24024

早速ですが、自己効力感(セルフエフィカシー)という言葉を聞いたことはありますか?
この概念は、カナダの心理学者であるアルバート・バンデューラ氏が提唱しました。

似たような言葉に自己肯定感がありますが、それとは別ものです。自己肯定感は「ありのままの自分を肯定し、自分を大切に思う心の感覚」です。
一方、自己効力感は「課題に必要な行動を成功裡に行う能力の自己評価」です。簡単に言えば、ある物事や課題に対して「これは自分ならできそうだ!と思える心の感覚」です。

自己効力感が低い人は、課題を目の前にしたとき「これは自分には難しそうだ、多分できない」と自己評価します。その結果、課題に立ち向かうことに対して消極的になってしまいます。

自己効力感が高い人は、課題を目の前にしたとき、今までの成功経験を振り返って「少し難しそうだけど、頑張ればできそうだ」と考えます。それゆえ、課題へ挑戦する回数も多くなり、どんどんスキルアップしていきます。

ただ、過大評価による無謀な挑戦によって、自信を失ってしまっては逆効果です。適切な自己評価をすることが大切で、注意したいところです。

自己効力感の形成に影響を及ぼすのは、下記の4要素です。

①個人的達成
過去に自分が課題達成した経験です。「やってみたら意外とできた!」という経験は誰にもあると思います。そういった経験を振り返って自己評価することで、自己効力感を高めることができます。

②代理学習
他者が物事を経験している姿の観察です。これによって、自分にもできそうだという気持ちが高まります。新入社員であれば、先輩や同期が行っている電話対応や名刺交換する姿の観察がこれにあたります。他者の経験に自分を投影して学習します。

③社会的説得
周囲の人からの励ましやサポートです。例えば、上司から「君ならできる!」と言われたり、成功に対して「よくやった!」と褒められたりすることで、自分に対する評価が高まります。

④情緒的覚醒
生理的な反応です。気持ちが沈んでいる時や元気が無いときは、自然と自信がなくなりますよね。物事に対しても消極的になります。リラックス状態は大切ということです。

この要素の内、一番影響力が大きいのが①個人的達成です。
ですので、まずは今までの自分の成功体験について振り返ってみるといいと思います。そして、良い意味で自分と同じ位の人が挑戦する姿に自分を重ね(②代理学習)、規則正しい生活を送ること(④情緒的覚醒)が大事になってくると思います。その過程で上司や同僚からのサポートや励まし(③社会的説得)があれば、自己効力感は高まってくるはずです。

少し反れましたが、こうやって自己効力感を高めることで、ハップンスタンス・ラーニング・セオリーを実践しやすくなるのではないかと、私は考えます。自己効力感が高まれば、「とりあえずやってみるか!」という気持ちになって、リスクをとったり、失敗に負けずに努力できたりすると思うからです。

第1回から第3回までをまとめると、

4つの要素で自己効力感を高め、5つのスキル(①好奇心②持続性③柔軟性④楽観性⑤リスクテーキング)を意識して偶然をチャンスに変える。

ということでした。

変化の激しい時代には必要な考え方だと思います。みなさんもぜひ、「ハップンスタンス・ラーニング・セオリー」を実践してみてください。

次回は、ウィリアム・ブリッジズの「人生の転機に対する理論:トランディション」を紹介したいと思います。

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