見出し画像

【時間は有限、役割も有限】〜スーパーのライフロール理論〜

こんにちは。ryoです。

今回は、キャリア発達の研究者ドナルド・E・スーパー氏の理論をご紹介します。教科書でも、かなりページ数割いて解説されるとても有名な方です。

そんなスーパーと言えば、職業生活を、成長期・探索期・確立期・維持期・下降期と捉えた「ライフステージ理論」、内的な個人的特性、外的な社会特性がキャリアを支える2本の柱とした「キャリア決定のアーチ」、そして「自己概念」など、様々な理論を提唱していますが、私が今回紹介したいのは「ライフロール」の理論です。
在宅勤務をしながら、ふとこの理論を思い出しました。

ライフロールとは?

ライフロールとは、「人生における各場面での自分の役割」です。
各場面とは、家庭、学校、職場、地域などを指し、この役割が演じられる場所は、アリーナと呼ばれます。
誰しも「その場その場での自分」というものがあると思います。それが、ライフロールです。
例えば、会社では労働者を演じ、家庭では夫を演じ、親の前では子どもとしての役割を果たす。というように、人はそれぞれ場で、それぞれのライフロールを演じています。
ライフロールは大きく下記9つに分類されます。

9つのライフロール

①子ども
親に対して、自分が注ぐ時間と労力です。「親孝行できてるか?」と考えるといいと思います。そのため、この役割は生涯に渡って続く方が多いかもしれません。
②学生
文字通り、学校に通っている学生としての役割です。多くは高校卒業、大学卒業までかと思いますが、社会人になって、学び直しで学校に通う方は、またこの役割が登場します。
③余暇人
趣味に自分の時間を費やし、余暇を楽しんでいる状態です。
④市民
地域活動に時間を費やす役割です。学校であればPTA活動、地域社会ならば、地域ボランティアなどです。
⑤労働者
会社員、職業人としての自分です。
⑥配偶者
夫、妻としての自分です。
⑦家庭人
家庭を維持するための役割です。料理、洗濯、買い物、家の修繕などで、原文はホームメーカーなので、少しややこしいですが、家事と考えていいと思います。
⑧親
自分が親として果たす役割です。
⑨年金生活者
退職後における自分の役割です。

スーパーは、キャリアをこの様々な役割の組み合わせだとして、ライフ・キャリア・レインボーとして、虹に例えています。この役割は相互に影響し、それぞれの年齢で複数の役割を同時に行うとされています。
例えば、20歳くらいであれば、「学生」「子ども」「労働者」をそれぞれのアリーナで演じるという具合です。場合によっては、「親」としての役割を同時に担っている方もいるかもしれません。
このライフ・キャリア・レインボー、著作権の関係で掲載できないのですが、一見すると見やすいような、そうでないようなという感じです(ググると出てきますので、一度見てみてください。個人的な感想ですので。笑)

自分のライフロールを確認してみる

考えやすくするために、一度自分自身に当てはめてみましょう。
私は、時間が有限なのと同じように、その時々におけるライフロールの総数も有限であると思っています。自分のキャパシティのような感じですかね。この9つの全部の役割をフルパワーでできる人って、あまりいないんじゃないかなぁと思います。

そこで、ちょっとやってみていただきたいのは、今の自分のライフロール確認です。
自分のライフロール総数が30だったとして、今の自分のライフロールはそれぞれどれくらいなのか振り分けてみてください。もちろん、0となる役割も出てくるはずです。
(例)労働者10、親8、配偶者5、家庭人5、子ども2 合計30

いかがでしょうか。これは、本当に人それぞれであると言えると思います。
例えば、ドラマなどでよく見る「家庭を顧みない、仕事一筋の夫」。この人は、職業人にライフロールをほぼ全振りしている状態と言えます。
また、趣味のために働いている人だっていると思います。勤労は、趣味を楽しむための手段の一つとして捉えているならば、労働者としてのライフロールよりも、余暇人としてのライフロールの方が大きいはずです。

まとめ

何が言いたかったかというと、「同じ職場であっても、同じ歳であっても、それぞれが担っているライフロールの振り分けは異なってくる」ということです。
たとえ、職場という同じアリーナであったとしても、労働者20の人と、5の人では、勤労に関する価値観も異なってくるはず。
相手も同じ価値観だという前提でぶつかってしまったら、理解は難しいでしょう。相手の立場にたって、相手のライフロールを想像してみることも大事かもしれません。
カウンセリングにおいては、クライアントにライフロールが変わった出来事がなかったか、主訴の原因として確認してみるのも一つの手だと思います。

終身雇用の社会では、ある種ライフロールの振り分けモデルのようなものがあったんだと思います。しかし、今は様々な生き方があり、それぞれの考え方が尊重される時代です。

昨日の晩ご飯はなんだったか考えながら、週末の予定を考えることができないように、当たり前のことのようかもしれませんが、人は複数のことを同時に考えることはできません。

これは、ライフロールにも言えると思っていて、頭の中が、あるライフロールでいっぱいだった時、他のライフロールを100%で演じることって難しいと思います。

それぞれのライフロールの振り分けは違うという前提で考えると、他者理解にも繋がってくると思います。

在宅勤務となり、職場というアリーナが家庭に移り、親としてのライフロールを果たしながら、労働者としてのライフロールも果たす先輩を見て、私はこう思ったのでした。笑

今の自分におけるライフロールの振り分けを確認することって、結構大事だと思います。「最近、親孝行できてないなぁ」とか、「最近、家事を奥さんに任せっきりだなぁ」とか思った方は、ライフロールの振り分けを見直してみてもいいかもしれませんね。笑

キャリアカウンセリングはじめました!
ぜひお気軽にご相談ください!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?