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【観察記録2】スシローの器を見に行きました。【キラキラの高級店】

くら寿司の器を観察してから数週間後、スシローの器も見に行く。回転寿司に行って、何を食べたか全然覚えてないことってあるんだな。他のことに夢中だと寿司が目に入っていない。次の場所ではちゃんと味わって食べたい。


回転寿司の寿司用の器は漆器風が主流だが、スシローも例に漏れず漆器に寄っている

筆でサッと描く感じ、それを刷毛目という。スシローの寿司用の皿は刷毛目で縁を描く。色違いで三種類、値段ごとに皿が違う。見込みは丸紋。

値段ごとに皿が変わるのだが、黄色と赤の間に明確な境界線がある。回転寿司で二百円に乗ると高いという世間的なイメージのためか。

赤と黒は漆器感を押し出しており、梨地になっている。梨地は金彩が散らばっているやつです。キラキラしてるでしょう。また、赤と黒は漆器らしい色合いといえる。漆器といえば、赤or黒or茶or緑だ。

黄色は金彩がないこと以上に、黄色であるという点において漆器を連想させない。子供用のプラスチック器っぽさが少しある。


よろけ縞というのか、このスイカみたいな模様の皿は、後続する皿に何が乗っているか紹介する看板のための器だった。この看板のためだけに器をもう一種類作るのってコストかかるよなあ。しかも、寿司皿に合わせて三色あった。すごい。


お味噌汁を待っていたら、突然でかいのが現れる。

このでかいのに味噌汁が入ってる

大平椀だーーーーー!!!!!

吸い物椀ではなく、大平椀が来た。

吸い物椀は旅館や日本料理店などでお吸い物が入って出てくるから、知っている人も多いだろう。くら寿司は吸い物椀だった。

大平椀というのは、平椀の大きいバージョンのことである。平椀は、煮物などを入れておくもので、名前の通り平たい。吸い物椀より大きく、蓋が身の外側に出る(ものが多い)。

蓋が弁当みたいになっていてすごい。

焼き物の大平碗もあるが、スシローはここでも漆器を取る。吸い物椀が漆器のイメージだから、それに合わせているのだろう。身はよく見ると寿司皿と同じ梨地になっている。キラキラさせるの好きねえ。

汁物を入れるのに漆器系を選ばないところって少ないんじゃないか。なんでだろう。それが一般的とされているからか。実家も漆器っぽいプラスチック容器使ってるしなあ。

正直、大平椀が到着した瞬間が一番テンション上がりました。


漆器類が続く中、茶碗蒸しは磁器である。絵付けはプリント。

驚いたのが、プラスチックではなく本物の磁器を使っている点だ。お店で蒸し器に入れてるのかな。プラではなく磁器を使うのって、多分高温でも溶けない安心感を得るためだろうし。

そして、この花を見て。特に左上の。花びらの色が左側と右側で違うの。

わかりますか。これは、わざわざ顔料である呉須のたまりを表現している。

染付は水分によって濃淡が出来る。

染付(手描きの絵付)は水彩画と同じで顔料の溜まりが出来るんですよ。プリントだと自然には出来ない。だから、プリント感を薄めるためにわざと色の濃い部分を作っている。思わず感心してしまいました。こういうの楽しい。


本物の磁器を使っても本物の漆器(木と漆)を使わないのは、漆器が水分に敏感なせいだろう。漆は表面についた水分を放置すると乾燥してぺりぺり剥がれちゃうし、木は水につけておくと歪む乾燥した場所に置いておくと、木がばきっと音を立てて割れることもしばしば。忙しい場所で使うのには、全く向いていないのである。

だから、お料理屋さんで本物の漆器を使っているとビビる。そういうところは器の管理がちゃんとしていてすごい。漆器、落としたらすぐ割れちゃうし、割れたら木が丸見えで直さないと使えないし。軽いのはいいんだけどねえ。


閑話休題。続いて、サイドメニュー。こちらは本物の磁器ではなく、磁器風プラスチック皿。

形がいい
長角は思っているより使いやすくて好き。

ついでに湯呑も。輪線が入ってますね。線を入れるのはくら寿司と同じ理由か?模様がないとプラ感が強いっていう。

湯呑を白磁っぽいのにするの、湯呑=ほっこりのイメージから少し遠い気がして意外だな。ホテルのカップっぽい。


腹具合があれだったので、デザートまで行けなかったのが残念。普通に回転寿司のデザート食べたいし。デザートは別の器があるのかなあ。どうなんだろう。今後は回転寿司の前にカフェでケーキを食べないようにします。

スシローは梨地の漆器推しであるということがよくわかった。この後のおまけも見てもらえるとよくわかると思う。

お店自体の身近さで言えば、くら寿司と同じくらいかなと思うのだが、この器たちを見ていると「寿司は特別な食べ物だ」というのを思い出させられる。



今回のおまけは長めに。

レーンから流れてくるものも面白い。

木目がついたプラスチックの容れ物。食籠っぽさがある。
竹編のかご的なもの。左のと右ので若干色が違う。
右はプラなの分かりやすいけど、左もそうなのだろうか。溜塗感が相当リアルだが……
動いているせいでちゃんと観察出来なかった。


スシロー、至る所を漆器っぽくしている。かっこいいな。

レーンが金彩の市松模様だ。びっくりした。

これ、実際に木と漆で作ったらヤバすぎるので、プラスチック製でなんとか安心している。発想がすごい。実際に作るとしたら技術が試されるというのもあるし量が多すぎるというのもあるし、何より使う金の量がやばい。強盗が入る。


ガリ入れ、梨地。
箸入れ、梨地。
緑茶入れ、梨地。

あなたは今日で梨地推し。ほらチームS。




めでたし、めでたし。と書いておけば何でもめでたく完結します。