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【連載】日本文化のはなし

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日本文化の色々を語る連載。とりあえず隔週月曜更新にします。現状、毎週月曜日は割とこういう系の話をしています。月曜日に知的になる人。
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#食事

【観察記録3】はま寿司の器を見に行きました。【どことなく絵本みがある】

今やもう回っていない回転寿司の器を調べるシリーズ、久々の新作である。続編待ってた。私が。誰も待ってなくても私が待ってた。 さて、今回ははま寿司だ。知らないうちにロゴが変わっていた。ちょっとまろやかな雰囲気のある文字で、以前より文字が暴れていない。最近はいろんなロゴがシンプルな方向に行っているみたいだ。流行りが。というのは今やる話ではないのでここまでにしておこう。 まずは、寿司皿から。今思ったけど、回転寿司の皿って大きさどれも一緒だよね。微妙に違うのかもしれんが、だいたい4

【観察記録2】スシローの器を見に行きました。【キラキラの高級店】

くら寿司の器を観察してから数週間後、スシローの器も見に行く。回転寿司に行って、何を食べたか全然覚えてないことってあるんだな。他のことに夢中だと寿司が目に入っていない。次の場所ではちゃんと味わって食べたい。 回転寿司の寿司用の器は漆器風が主流だが、スシローも例に漏れず漆器に寄っている。 筆でサッと描く感じ、それを刷毛目という。スシローの寿司用の皿は刷毛目で縁を描く。色違いで三種類、値段ごとに皿が違う。見込みは丸紋。 値段ごとに皿が変わるのだが、黄色と赤の間に明確な境界線が

【器のはなし】最近買った明治期小皿の自慢をする。そのあと傷を見せる。

先日、めちゃくちゃ可愛い小皿を手に入れた。ということで、今日はそれの自慢大会です。 白磁陽刻梅図角小皿。これ系は瀬戸焼の型物が多いらしい。型物は、名前そのまま型を使って量産されたもののこと。調べたら、伊万里焼のもあるらしい。伊万里の方が薄手とのこと。結構見かけるから、今度ちゃんと見比べてみよう。 白磁陽刻梅図角小皿:白磁→真っ白の/陽刻→浮き彫りのような模様がつけられている。彫っているわけではなく型で凸凹を付けている。/梅図→中央の模様が梅/角小皿→四角い小皿 ところで

【観察記録】くら寿司の器を見に行きました。【実家のような安心感】

ずっと気になっていた。くら寿司に蛸唐草の柄の小皿があるってこと。 初めて見たのは広告だったと思う。普段外食をしないのに加えて、他の人との外食で回転寿司を選ばないから、実物を見たわけではなかった。 じゃあ実物を見に行こうじゃないかと。ついでに他の皿も見ようじゃないかと。せっかく行くなら全皿コンプリートを。(くら寿司自体、人生で行ったことがほとんど無いからコンプリートしてなかったらごめん。全皿コンプリート挑戦、初心者なので大目に見てね。) ということで、早速蛸唐草の皿を取る

【器のはなし】瀬戸だけずるい。他の六古窯が嫉妬するぞ。

よし、この連載も今回から新ジャンルだ。歌舞伎から器になるのであれば、今回はこの器をやらねばならない。 海老。 海老の横に、三升文。真面目に連載を読んでいる人の中で、ちゃんと細かなところまで覚えている人はすぐに分かっただろう。そうではない人も、なんとなく雰囲気で分かっただろう。海老に三升。これは市川海老蔵を意味する組み合わせなのである。以前書いたように、三升というのは市川團十郎家の定紋である。 この組み合わせでの「市川海老蔵図」の器は意外と数があって、目にする機会も多い。