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「今、橋の上にいます」と自殺をほのめかす発言を電話越しに言われたら、アナタはどのように応答しますか?
2009年8月からスタートした連合群馬のライフサポート相談室にはたくさんの県民からお電話や面接相談があります。
ある日相談室に「今、橋の上にいます」と男性の声で電話がありました。皆さんだったらどのように応答しますか?
「何かあったんですか?」と質問したい気持ちになったり、「ちょっと待ってください」と要望を発言したくなる方が少なくないと思います。
電話を受けた私はとっさに「死にたいくらいつらいんですね(共感)。電話くださってありがとうございます(感謝)」と真剣に伝えました。
すると相談者の声の質が変わり、仕事でのトラブルで会社に大きな迷惑をかけてしまったことや夫婦関係が悪い状況で会社にも家でも「居場所がない」という状況で「今の苦しさから逃れたい」と言葉が続きました。
50分ほど話を聞かせていただいてから私は「あなたが死んでしまったら悲しいです。来週またお電話ください(約束)」と伝えると、翌週約束の時間に電話がありました。
この「共感・感謝・約束」を"Heartメッセージ"と命名し、コミュニケーションで自殺を止めるゲートキーパー協会を立ち上げました。
”みんながゲートキーパープロジェクト”として、小・中・高校生や大学生、教職員や保護者、支援者向けにゲートキーパー講座を行なっています。
今では群馬県と新潟県の自殺対策強化事業にも認定されています。昨年度は約6千人の子どもたちに出前授業を受けていただき「味方になりきるコミュニケーション」を伝えてきています。
出前講座に参加したOさん(当時中3)に友達のAさんから「友達にいじめられて消えてしまいたい」とLINEが来たそうです。
Oさんは「気にしないで頑張って・・・」と送ろうとしましたが、出前講座を思い出して「私に話してくれてありがとう。もう少し詳しく教えて」と返すと、Aさんからたくさんの言葉が来たそうです。
Aさんの話を聞いてからOさんは「みんなからの言葉で苦しくなっちゃったんだね。私はAちゃんが大切です。明日、塾で会おうね」と送ったところ、Aさんから「話を聞いてくれてありがとう」との返信があり、今ではOさんもアさんも高校三年生になっています。
自殺防止のためには特別な相談室を作ること以上に、Oさんのような普通の人が日常生活の中で落ち込んでしまった方の気持ちに寄り添うこと、言い換えれば「最強の素人集団が味方になりきるコミュニケーション」を発することが大切なものと思います。
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