大小原利信

日本ゲートキーパー協会 理事の大小原です。【みんながゲートキーパープロジェクト・ 自殺…

大小原利信

日本ゲートキーパー協会 理事の大小原です。【みんながゲートキーパープロジェクト・ 自殺予防ゲートキーパーオンライン講座】を運営しております。気持ちが落ち込んでいる方に身近にいる友達が寄り添う事で、自死予防となると信じて活動してます。

最近の記事

「今、橋の上にいます」と自殺をほのめかす発言を電話越しに言われたら、アナタはどのように応答しますか?

2009年8月からスタートした連合群馬のライフサポート相談室にはたくさんの県民からお電話や面接相談があります。 ある日相談室に「今、橋の上にいます」と男性の声で電話がありました。皆さんだったらどのように応答しますか? 「何かあったんですか?」と質問したい気持ちになったり、「ちょっと待ってください」と要望を発言したくなる方が少なくないと思います。 電話を受けた私はとっさに「死にたいくらいつらいんですね(共感)。電話くださってありがとうございます(感謝)」と真剣に伝えました

    • 沈黙を聞き、相手の成長力を信頼し、一緒に考える。

      高校生の就職をスムーズにするためのキャリア支援事業を担当していた時期のことです。 各高校に行って就職のための履歴書作成講座や面接対策講座などしていました。 「話をしないS 君がいて困っている。彼は就職希望だが、誰とも話さないし、就職活動を始めようとしない。助けてほしい」、ある公立高校の進路指導の先生からの要望でした。 早速、その高校でS 君と会うこととなりました。先生に連れられて来室したS君はうつむき加減で迷惑そうな表情を浮かべていました。 先生には退出していただき、

      • ”引きこもり”や”うつ”は、自分の命を守っている

        社会問題となっている引きこもり(不登校)やうつなどに関して、あなたはどのようなイメージをお持ちですか? きっと多くの方々は「自分の子供が引きこもり(不登校)になったら大変だ。なんとか学校に行かせたい」と思うでしょう。 また、自分の学校やクラスから不登校を出したくない」と思って一生懸命に指導している先生方は少なくないと思います。さらに子供自身も「学校に行きたい。友達と遊びたい」と思っているものと感じています。 どうして引きこもりになっていくのかを考えてみると、「学校でいじ

        • 人との関わりが大切。感覚遮断の実験から考えると引きこもりとの関係

          下記にリンクいたしました、前回の記事で 「不登校、引きこもりやうつ状態は自分の命を守っている状態」と説明させていただきましたが、今回はさらに一歩進めて、引きこもって命を守っている状態だけれど、一定の条件を満たす必要があることをオピニオンの最後にお伝えしたいと思います。 それは「人とのかかわりを無くしてしまうと病状が出てくる可能性がある」というものです。 1951年にドナルド・ヘッブという心理学者が学生の協力のもとに医療体制を構築したうえで行った【感覚遮断】という実験があ

        「今、橋の上にいます」と自殺をほのめかす発言を電話越しに言われたら、アナタはどのように応答しますか?

          夏休み明け2学期の不登校などの苦しさ

          夏休み明けが苦しい・・・ 今年の夏休みは諸々の影響で短縮される学校多いと思います。 例年の傾向として「二学期の初めに子どもの自死が多い」という傾向がありますが、どのような背景があるのかを考えてみたいと思います。 私たちは子どもの頃から「“夢・目標”を持ちましょう」と言われて、子どもたちは「ゲームクリエイターになりたい」などと発言することがあります。 その子供に「それじゃ今何している?」と質問すると「ゲームしてます」と答えが返ってくる来ることがあります。 ゲームを扱う

          夏休み明け2学期の不登校などの苦しさ

          人は安心の場があると自立していく

          安心の場で自己変容する 地元ITメーカーで技術者として働いていましたが、1992年に労働組合専従役員をする事になりました。 その頃は「バブル崩壊」の頃で製造業は中国など海外に工場を移転するのが当たり前となりました。 さらに95年に経団連は【雇用ポートフォリオ】と言う考を示し、企業で働く社員を ①正社員グループ ②専門職グループ ③雇用柔軟型グループ に区別して、人件費対策をするようになり、国も労働者派遣法を改正し、製造業を含め多くの業種での派遣が可能となりました。

          人は安心の場があると自立していく