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3-4. 共有結合からなる物質

こんにちは、おのれーです。

前回は、分子が引かれ合うことによってできる「分子結晶」という物質についてみていきましたが、今回は共有結合をつくりながらも、分子をつくらない物質について見ていきたいと思います。

■そもそも分子ってどんなやつだっけ?

3-2.分子のところで学んだように、「電子を欲しい」と思っている原子(価電子数の多い、非金属の原子)どうしが、互いの電子を一緒に使うようにするためにくっついてできる結合を共有結合といいます。

そして一般に、非金属の元素(酸素、窒素など)どうしでは、原子どうしが共有結合により、分子をつくることが知られています。

分子は、同じ分子であれば、決まった数の原子が結びついてできています。例えば、水素分子なら水素原子が2個、水分子なら水素原子が2個と酸素原子が1個というように、いつも決まった数ずつ結びついてできています。

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こうしてできた分子が、ファンデルワールス力などの分子間力によって引かれ合い、集まってできたのが分子結晶でした。

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しかし世の中には、共有結合で原子が結びつきながらも、分子をつくらずに存在している物質もあります。


■なぜ、分子をつくらない物質があるのか?

炭素ケイ素は、周期表の14族にある非金属元素であり、価電子の数が4個の原子です。

最も安定な閉殻構造は、最外殻に電子が8個存在している構造ですから、価電子数が4個の原子というのは、電子を4つもらってくるか、4つ放出しなければ、安定な構造になることができません。いずれにしても、価電子数4個の原子の欲求を満たすのは、かなり大変だということがわかるかと思います。

電子をもらってくるのか、放出するのか、一緒に使うのか。

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炭素やケイ素が用いる手段として最も多いのは、他の原子と必要数の電子を「一緒に使う」という方法です。つまり、これらの原子は「電子4つ欲しい欲しい欲しい欲しい〜〜〜〜!!!!」と貪欲になっている状態にあるといえるでしょう。

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炭素やケイ素を相手にする原子たちは大変です。なにせ、自分の電子を1個共有結合するために提供したとしても、「まだ足りない!」と言われてしまうのですから、、、

そんなこんなで「あいつは欲張りだ!相手にしてられるか!」と愛想をつかされてしまったのかどうかはわかりませんが、炭素やケイ素は自分たちを中心に、何個も何個も集まって巨大グループを形成するのです。

こうして、炭素やケイ素が共有結合によって数え切れないほど結びついてできた物質を共有結合の結晶(最近は、共有結晶ともいうようです)とよんで、分子とは区別しています。

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共有結合の結晶には、ダイヤモンドC、黒鉛C、単体のケイ素Si、二酸化ケイ素SiO2、炭化ケイ素SiCなどがあります。高校の段階では、とりあえずこの5種類を覚えておけば大丈夫だと思います。


■共有結合からできている物質は、最強!!

共有結合の結晶は、同じ共有結合が関係している分子結晶とは、性質が大きく異なります。それはなぜでしょうか?

共有結合は、原子と原子が、互いの持っている電子を出し合って、一緒に使うことによって形成される結合です。言い換えると、自分の一部(電子)が、相手の中まで入り込んで結びついているわけですので、その結びつきはかなり強靭なものです。

分子も、同じように共有結合でできていますから、分子自身が引き剥がされて単独の原子になるためには、たくさんのエネルギーが必要です。しかし、分子結晶というのは、分子と分子の間にはたらいている弱い力によって、分子どうしが集まってできている結晶なので、分子どうしを引き剥がすのは比較的かんたんです。

それと比べると共有結合の結晶は、とにかく共有結合の繰り返しだけでできていますから、なかなかバラバラにすることはしにくい物質です。このことから、一般に次のような性質があります。

(1) 非常に硬い
共有結合は非常に強靭な結合ですので、力を加えてもなかなか崩れることはありません。例えばダイヤモンドCは、天然の鉱物の中では最も硬い物質であり、包丁を研いだり、ダイヤモンドカッターというコンクリートなども切断できる道具に利用されています。

(2) 融点・沸点が高い
共有結合を引き剥がすためには、かなりたくさんのエネルギーが必要です。したがって、固体を液体や気体にするためには、たくさんエネルギーを加える必要があり、融点や沸点は高くなります。

(3) 水に溶けにくく、電気を通さないものが多い
共有結合で結び付けられた原子どうしはなかなか引き離されることもなく、多数の原子が結びついた状態にあるため、水には溶けにくく、電気を通さないものが多いです。

ただし、例外的に黒鉛Cだけは電気を通します。これは、炭素原子の4つの不対電子のうち、3個までは共有結合に使われていますが、残りの1個は自由に動き回ることができるためです。


このように、共有結合の結晶は、固体の構造の中では最強だと考えていいと言っても過言ではありません。それにしても自分たちだけでガッチリ結びついて、周りに対してはほとんど動じないって、どこか村社会のようなニオイを感じますね、、、

今日はここまでです。


最後にワンポイントチェック

1.共有結合の結晶はどのようにしてできているか?
2.共有結合の結晶を5つあげてみると?
3.共有結合の結晶の性質を3つあげてみると?


これまで非金属元素の結びつきについて3回に渡って注目をしてきましたが、次回は、金属元素の結びつきについて考えていきたいと思います。お楽しみに!

←3-3. 分子間力と分子結晶 | 3-5. 金属結合と金属結晶

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中高理科教員/吹奏楽部顧問/トランペット/アレクサンダーテクニークを通して心身の使い方を学んだり、ワークショップデザイナーとして協働する場づくりの探究をしたり/ICT教育/学び合い/進路指導/セルフクエストラボ/はなす場こむぎ/http://rapparapa18.xsrv.jp

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