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『赤外線』との違い。直火やガスバーナでは出せない味とは?〜なぜ人は炭火に拘るのか 科学的視点で解説

まず赤外線とは何かを知る必要があります

赤外線は、 可視光線 の赤色より 波長 が長く( 周波数 が低い)、 電波 より波長の短い 電磁波 のことである。英語 では infrared といい、「赤より下にある」「赤より低い」を意味します。


■炭火とガスの違い

なぜガスバーナーやガスコンロから赤外線が出ないかと言うと、ガスと炭火の違いは水蒸気の有無です。ガスの場合 都市ガスはほぼメタンガス、プロパンは水素が含まれていて燃焼ガスに水蒸気を含みます。

ガスだと赤外線が出ませんが、赤外線を出すこと自体はハードルが低いです。鉄などの金属を赤熱したり、熱い白熱電球などからも出ています。もちろんコンロの上に鉄板を置いて加熱すれば、赤外線がでますし、セラミックでも加熱すれば赤外線がでます。セラミック板自体は、小さいものであれば1500円くらいで売ってます。

■燻製チップでもなんでも赤外線はでる

燻製チップからも赤外線がでますから、燻製チップの温度と、食材の距離感を適正に保てば、燻製しながら赤外線加熱をしているという事になります。(炭化する加熱した場合)

つまり、炭火焼きと同等程度の効果があると言えるのです(主成分は炭素)。

私が思うに、炭火焼きを調理で使う効果は、炭火で焼いたときの燻した香りではなく赤外線加熱にあると思っています。

燻製チップを燃やした時に、最初に発生する煙の臭いと、燻製チップが炭化した場合に発生する煙の臭いには違いがあります。木(燻製チップ)を燃やした場合に発生する煙自体に、香りの違いはありますが、炭化した場合に発生する煙の臭いには、そこまで大きな違いがないと考えます。

■直接加熱との違い

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