見出し画像

経験のある看護師の経験って⁇〜地域包括支援センター看護職の配置基準と本当に必要な経験〜

私は地域包括支援センターで働いていますが、私が働き始めるきっかけは法人内の異動でした。
退職を希望していたのと保健師の資格を持っていたので声がかかったようです。
当時包括に移動するにあたって大した知らなかったので簡単にどのような所か調べました。
その際に看護職の配置について厚労省のホームページにこのように書いてありました。

保健師または経験のある看護師

経験ってなに⁇と思いました。
今検索してみると自治体によっては公衆衛生の仕事に1年以上従事した看護師というような記載も見られます。

私はこの要件を見て、当時は経験って何だよと思いました。今はどんな経験も活かせると思う所と役所にいた看護職(公衆衛生の経験として)じゃ包括は無理だよと思う面があります。

ここでは前者についてお話ししようと思います。

地域包括支援センターの対象は高齢者です。
ですが家族は高齢者だけではないです。働き世代だったり孫も含めると幼児学童だったりもします。小児の知識があれば家族に意識が向いて家族としての問題を捉えたり、対象者以外の課題にも気付くことが出来るでしょう。ケアラー、ヤングケアラーに注目が集まってきている昨今、とても力になる経験です。

また特定の分野について知識がある場合でも、活かすことができます。私は脳神経外科領域の患者が多いICU病棟にいた経験があり、電話で相談を受けた時には伺った話から脳神経外科の受診を薦め、後日脳梗塞で入院された病院のソーシャルワーカーさんから要介護認定申請を行うに当たり情報提供を求められた事もありました(電話対応だけだったので大した情報提供は出来ませんでしたが)。

保健師はマクロの目で地区診断など行う必要もあると思いますが、地域包括支援センターにおいては様々な相談の最初の入り口になる事が多いので、緊急性や適切な受診先の提案を行う事が出来るのは大きなメリットになります。

一方で地域包括支援センターは役所の保健師と共同して仕事を行う機会が多いです。公衆衛生的な所は役所の保健師の強みでもあるので、助けてもらいながら分析する事もできます。
つまり包括の保健師が最初からスキルを持っている必要は必ずしもないのです。

看護師として病院組織や病棟を経験したり外来のリアルを知っていたりする保健師は幅広い視点を持っている事が多いです。それは比較対象があるからだと私は思います。
今後卒後ストレートに地域包括支援センターに所属する新人保健師さんも多くなって来るかと思います。他職種と関わる事が圧倒的に多いのが包括ですので視野を広く持って色んな視点を吸収してもらいたいなと思います。
そして、私は病棟や病院組織を経験した看護師こそ地域包括支援センターの配置要件に当てはまるべきではないかなと身をもって感じています。
なぜなら緊急時の判断はその場で行わないといけませんが、地区診断は他の人の力を借りて時間をかけられるからです。

医療以外の分野から来たりとか日本人じゃなくても良い、もっといろんな経験をしてきた人が地域包括支援センターに増えると面白いなって思います。。!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?