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三題噺小説「宿題」②
今日も昨日に引き続き、創作ノートから、2020年6月30
日に書いた小説を紹介します。
➀はこちらです。
ぼくはもう一度テレビをつけてみた。誰かが、ものすごく早口で、身振り手振りをつけながら大声でしゃべっていた。ほんの少しドキドキしたから、やっぱり消してリモコンを放り投げた。その時、コップに残った麦茶がこぼれてリモコンにかかった。ぼくはいそいでティッシュでリモコンをふいた。どうしよう。怒られる。リモコンのボタンを押してみたけどテレビがつかない。麦茶をこぼしたせいだ。「ただいまー」ママが帰ってきた。
……言わなければバレやしない……きっと電池がなくなったと思ってとりかえるだけだ。ママはダイニングテーブルに買ってきたものをならべている。そしてテレビに向けてリモコンを押した。
「あれ、つかないわね?電池切れかしら?」
「ごめん、さっき麦茶こぼしちゃったんだ、ふいたんだけど…」
「えーっ、ちょっと気を付けてよねー!……ママも、こぼしちゃったこと何回もあるけどね」
そう言ってママは笑った。
ぼくはママが買ってきたものを冷蔵庫に入れるのを手伝った。
ママがつくってくれるできたてのごはんが食べたくなった。
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