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初めてドラムを叩いた時のこと

毎日、自宅でドラム練習をしているのですが、「初めてドラムを叩いたのっていつだっけ…?」と、先日ふと思い出していました。

間違いなく、中学生の頃、吹奏楽部に入ってからです。

ある日のこと、突然、先輩が「今日はドラムの練習するよ~」的なことを言い、教えてくれました。

その日が、ドラム初体験だったのではないかと。

「あなたは初心者だから、まずは、この曲がいいわね」という感じではなく、「はい、これやってみるよ。いま皆で合奏してるのもこの曲だから」→譜面台に楽譜をバサッ!って感じだった笑。

その曲が、T-SQAREの「TRUTH」でした。楽譜を見ても、何がなんだかわからない。全くわからない。先輩も、部活にさほど熱心な方ではなかったとみえ、はっきり言って教える時にめんどくさそうだった…。それでも、楽譜をみながら、「ハイハットはこれで、スネアはこれで…」というように教えられ、見よう見まねで、わたしも少しずつドラムを叩けるようになってきました。確かその先輩は3年生で、時期的に引退をひかえていて、その後2年生の先輩に教わるようになりました。

その先輩にある日言われました。「ドラムを演奏していて、テンポが遅くなってくるのは、リズム感が悪いの。遅くなるんだったら、速くなるほうがまだいい」と……。

一概にそうとは言えないと思えるのも、鵜吞みにしないというのも今でこそなのですが、とてもよく覚えているひと言です。当時はそう言われて、そっか~、打楽器は、遅くなるなら、速くなるほうがいいんだ~…なるほどー!なんて、思いました。

クリアファイルに入った楽譜の、わけがわからないけれど、小さな○印や、(→ハイハットがオープンであることを示す記号)アクセント、タイ記号などなど、

今思い起こしてみると、楽譜が読めないからこそ、楽譜というより、模様とか暗号のように見えていた気がします。

そして視覚で認識したものを、聴覚で感じる音や、音楽、リズム、といった立体感のあるものにしていったり、逆に、聴覚で認識した音楽を、ふたたび楽譜(視覚)で確認するという、繰り返しをしているんだなということなど、当時は自分のなかでさえ言葉にはできませんでしたが、体得していったような気がします。

いまこの文章を書いていて、楽譜が読めない、とか、わからない、意味不明、そういう時でも、もしかしたら、本質に近いものを感じ取ったりすることはできるのかもしれない、と思いました。意味がわかる、というのは、もう意味が限定されてしまうことでもあるから、それ以上、考えなくてもいいし、出来る、と思ってしまったら、練習しなくなったりもするかなぁ、とか。

じつは、楽器を演奏したくて自分から吹奏楽部に入部したわけではなかったわたしが、(それについてはまた投稿できたらと思っています)演奏することの楽しさに目覚めたのは、ドラムセットが叩けるようになってきた頃でした。「これは楽しいな~…!」そうはっきり思ったのを覚えています。

毎日同じ曲を練習していても、今まで聴こえなかった音が急に聴こえてくることがあります。同時にたくさんの音が鳴っているので、ある時は聴こえるけれど、ある時は聴こえない。楽しく感じる時は、「ここでこんな音が鳴っていたんだ!」と急に気が付いたりして、同じ曲なのに違う曲なのかと思うくらい、音楽がみずみずしく響いてくる時などです。

今も毎日、「いったい自分はドラムを演奏するときに、何が楽しいのかなぁ?どういう時に楽しいのかなぁ?」と自問しながら練習している日々なのでした。



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