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御茶一「服」差し上げたく存じます

今週は大阪でも雪が舞う日がありました。通勤・通学に支障は出ていないでしょうか。

寒い時期には温かい飲み物が有難いですが、緑茶・コーヒー・紅茶・白湯から、冷たいビールや水でもカップやグラスに一「杯」という単位を使うことが多いと思います。

が、お抹茶は、薄茶であっても濃茶であっても一「服」という単位を主に使います。現代では「服」というと着るものを真っ先に思い浮かべますが、「内服薬」という言葉もあるように、「服」には薬を飲むという意味もあり、また量でいうと漢方薬一回分や一回煎じたものを数える言葉でもあります。他には「服務」という言葉からもわかる仕事に従事する、といった意味もありますね。

お抹茶は茶葉を粉にしたものに少し湯を加え高い濃度でいただくため、少量であってもその効能を強く感じられ、中国伝来で非常に高価だったこともあり、当初薬として扱われていたことから、このように数えられるようになりました。抹茶を服した記録では、『吾妻鏡』で健保2(1214)年栄西が鎌倉幕府三代将軍源実朝に二日酔いの薬として(!)差し上げたというものが有名です。薬も過ぎれば毒となる、なんて言いますが、お抹茶も過剰摂取は体によくないですし、そんなところも薬に似ていますね。

そういうわけで「御茶一服差し上げたく存じます」「もう一服いかがですか」などと言ったりするわけです。薬のように有難い、効用のある飲み物と思われていたのだな、と思うと、一服のお茶の有難さが更に増すような気がします。

今日の菓銘は「ねじ梅」。
今年最初の花を模したお菓子は、やはり梅がよいでしょうか。

寒い時期の着物でのお出かけ、特に女性の着物はあちこちに風が通っているのでしっかり保護する必要があります。首手首足首の3つの首を温める、とはよく言われますが、肘から指先にかけての肘少し上(外側)が覆われていると更に暖かくなります。いわゆるアームウォーマーというのでしょうか、これの長め丈のものがおススメ。指先は出ているものの方が、用事するのにも便利で、熱もほどよく逃げるのでよい気がしています(注:大阪・東京都市部程度の寒さの地域の話です)。日焼けどめのカバーとは役割が違いますので、毛などの暖かい素材を選んでくださいね。

毎年、この時期は味噌を仕込み、年明けて出回る国産の柑橘類を使ってマーマレードを作ります。煮豆や柑橘の香りはちょっと豊かな気分にしてくれます。面倒ですが、これがあるので何とかやっています。

外に出ると、やれ節分だバレンタインだと行事が沢山あるようで。ご自身の気持ちに沿うものを上手に取り入れてお楽しみくださいませ。




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