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鬼とはなにか?京都人が作った鬼

鬼とは何か?という本を読んだ。



日本三代怨霊の平将門の話から始まる本書。
京極夏彦の『鬼棲』という作品を読み、鬼に興味がわき手に取ってみた。
面白い本だった。
民俗学、主に土着信仰とか御霊信仰について、後は能にも触れたりする。
例えば般若。女が怨霊になってツノが生える、鬼になるっていうあれ。
あれは世阿弥が勝手に作った話で…
男は女に対して得体の知れない恐怖を抱いていたと。今も昔もそれは変わらない。


【空飛ぶ生首、鬼のクーデター】

小さい時、六条河原を橋から覗き込んで、ここで色んな人が死んでるんやでと両親や祖父母に聞かされて怖かったの思い出した。
七条河原で晒されたんは平将門だけらしい。

あとはほとんど六条河原。
京都には色んな魂(鬼)が眠ってる。

【鬼門が"存在しない"御所】


京都御所に足を運んだことある人はご存知かも知れないが、
本来、安倍晴明が作った鬼門と呼ばれる北東の角っこは、凹んでいる。こんな感じで。


私は通っていた中高が京都御所の真横だったので、いらん事すると(例えば行事の山登りを欠席するとか)、
すぐ御所ランさせられてたのだが、
ずっと不思議だった。
ここ、なんで凹んでんの?って。
御所にはまさかの、鬼門が"ない"。
猿が辻というやつらしい。この本を読んで、15年前の疑問がすっきり解決。
『欠け』させたら、鬼門は存在しなくなるって。よう考えはったなぁと、感心。

鬼は東北から来るもの。
それは京都人が作った考え方らしい。
東北では、鬼は福きたる神のような存在だったりする。
大陸から来た弥生人は、大和の縄文人を北東と南西に追いやった。縄文人は野蛮として認定。
よって縄文人が鬼とされた。
また、菅原道真とか平将門の怨霊が鬼となって祟るという恐怖から、御霊信仰の考え方ができた。など、興味深すぎる鬼を通じた民俗学の書物だった。

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