建築家のお仕事見える化vol.3【役所調査】
設計の依頼を受けてから、ヒアリングをしてプレゼンテーションを行うのですが、それまでには結構地味な下調べが必要だったりします。建築家がどんなことをやっているか?簡単に説明したいと思います。
前回は【敷地調査】について書きました。現地でどんな点をチェックするのか?マニアックなポイントがたくさんあったと思います。次は役所で確認することを書いていきます。
※これは私の場合の手順ですので参考までに。
①用途地域の確認
まず最初に訪れるのは建築指導課。だいたいそんな名称であることが多いです。ここで、用途地域と条例の確認を行います。
大前提である用途地域。これはネットで調べておきますし、既に土地を購入されたお客様であれば重要事項説明書に記載してあったり、間違うことはほぼないと思います。なので一応確認という感じです。
ただ、用途地域境など、敷地が複数の用途地域にまたがる場合はどこを基準に用途地域が変わるかを確認します。
以前のケースでは、大きな幹線道路からの距離で用途地域が決まっていました。どのようにその距離を求めるかというと、道路台帳の上にトレーシングペーパーを当てて該当敷地までの距離を測るというなんともアナログな方法。
初めて役所でそれを知った時にはちょっとびっくりしたと共に、トレーシングペーパーまでしっかり準備してあることに笑ってしまいました。
②道路の確認
建築物を新築するには、建築基準法上の道路に2m以上接道していないとなりません。なので、その接している道路がどんな道路なのか?を調べます。
道路の確認を行う部署は道路管理課などの名称であることが多いです。まずは道路の種類、続いて詳細を確認。ここは何故か窓口が分かれているのです。
大きな道路は一項一号道路、○○区道、などと名前がついていたりするのでそれを教えてもらいます。あと、道路幅員も確認します。これは容積率を求める場合に使用します。
小さな道路だった場合はその道路の幅員が4mあるかないかがとても重要です。なぜなら4mに満たない場合、道路が4mになるように敷地をセットバックしなければならず、その手続きが発生するのです。これは改めて【条例編】で書こうと思います。
③各種条例の確認
敷地の種類と道路の種類を確認したら、残りの条例について各窓口に申請が必要な規模や用途と申請の流れについて確認しに行きます。
似たような条例も多いですが、各自治体で申請の流れや締め切りまでの日数がそれぞれ違います。建築確認申請だけでなく、条例の申請のスケジュールも確認しながら図面を作成したり準備を進めていくのです。
④各種助成金の確認
使用できそうな助成金があれば、こちらも申請スケジュールや対象に関して確認します。年度ごとに区切られている場合が多く、スケジュールがうまく合うかというのもポイントで、何度か断念したことがありました。
改めて書き起こしてみると、計画の大前提に当たる部分として大事な作業だなぁと感じました。
役所に行くと同じ様に土地の調査をしているであろう設計事務所の人や不動産マンにで会うのですが、心の中で勝手にお疲れ様です、と声をかけるのが密かな楽しみだったりします。
次は先程書いた【条例編】として、過去に体験した具体的な条例の手続きの流れを書いてみます!
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