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二階のトイレは必要か?

家づくりの工程表に従うと、詳細設計真っ最中ということで、週次である曜日の夜に設計士の川口さんとスタッフのTさんと定例を行なっている。回を重ねるごとに暮らすイメージが湧いてきて、ふと時間が空けば家のことばかりを考えている。

この一週間の課題は本棚と二階のトイレだ。

「Rの宝箱」と名付けてくれた大きな本棚はこの家のシンボルなので、その話はまたにして今回は二階のトイレ問題について。

結論は、設置を決めた。やっぱり設置してよかったなァ〜と言ってそうな自分が既に想像できている。

夜中にトイレに行きますか?

私も歳を重ねたからか、食べ過ぎと飲み過ぎが原因で夜中に目が覚めてトイレにお世話になる機会が増えた。とはいえ、マンション暮らしではなんの不自由もない。新居は寝室は全て2階に作るのだが、まぁ階段下りればいいかなと思っていた。両親もそれで問題ないだろうと思っていた。階段は両親がもう少し歳を重ねても上り下りがしやすいように、病院でも使われているような低くなだらかな階段に設計してもらっているからだ。

ところが...

念のため父母にも状況を知らせようと間取りはこうで、とお金以外の話を電話した翌日、母から二階にトイレが欲しいと電話があったのだ。「Rの家だし、話を聞いて色々楽しみだけど、トイレだけが唯一の心配」と。

父親の事情を知る

よくよく話を聞くと、夜中に目覚めることがなかった父が昨年行ったとある手術後から夜中にトイレに行くようになっているらしい。それも2回くらい。放尿量はとっても少ないようだが、何か心配になっているところがあるのかもしれない。

なるほどね・・・考えよう、二階にトイレ。

そう決めたものの、スペースの捻出が難しく、客間か私の寝室がものすご〜く狭くなってしまう。これはこれで、大変悩ましい。

築100年の古家。二階はその昔は蚕部屋だった。

購入予定の土地には古い家が建っている。コストは余計にかかるが、解体時には柱などを残す方針だ。友人たちの指南によるところも大きいけれど、古いものを大切にするという思想は好きだし、人の身体にも優しいと思う。何より柱が素晴らしかった。

「柱太いな。立派だな。」

二度目の訪問で、天井を見上げた時、大きな柱に墨で「大正十四年」との年号が書かれているのが目に入った。当時の大工の名前もあった。二階にも上がったが、これまた天井は低く、決して広くはなかった。聞くとその昔は蚕部屋だったらしい。歴史の授業で長野が製紙業の中心地だって言ってたかも・・・なんて思い出した。

そんな訳で、二階は広くない。古家の造りを引き継ぐので色々と制限があるのだ。

簡易トイレ

大正十四年と言うと亡くなった私の祖母とほぼ同い歳だ(大正十五年生)。

祖母は一時期自宅介護をしていたので、介護ベットの隣に簡易トイレもあった。あの簡易トイレ・・・まだあったはず・・・とある考えがよぎったものの、簡易トイレは臭いから使って欲しくないのよね!と母が言っていたことを不意に思い出した。

先週、父と母とテレカンにて現状報告をした際、トイレ問題について会話してみた。

なんて返ってくるのかなと思っていたが、どこかの部屋が極端に狭くなってしまうなら父は二階にトイレがなくてもよいと言う。母もお父さんがそう言うなら、と言う。簡易トイレもあるし、なんてことも言う。   

それを聞いて、トイレを設置しようと決めた。

この一週間、いろんなnoteやブログをみたりしてトイレ問題を考えてた。その問題自体はそれとして、父の夜中のトイレなんて知らなかったなって思った。今のとこと今週の定例で、設計士の川口さんが諸々の設定と配置を工夫してくれたのでいい塩梅に納まりそうだ。

両親は特に何も言ってこないが、実際はどんな家になるんだろうと気にしているだろう。現時点の設計図をコピーして届けようと思う。

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