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己の限界に挑むトレイルランニング 塙翔太さん流の過酷なレースを勝ち抜く秘訣とは?

トレイルランニングは、美しい景色を楽しみ、自然と一体になりながら山道を駆け抜ける爽快感が魅力のスポーツです。一方で、レースとなると、100km以上の険しい山道を、昼夜かけて数十時間以上も走リ続ける、心身ともに過酷なスポーツの側面もあります。

トレイルランナーとして全国、アジア圏のレースに積極的に参戦する傍らで、トレイルランニングの魅力や楽しさをあまねく広める活動を行っている塙翔太さんに、トレイルランニングの魅力や、過酷なレースを楽しむための秘訣を伺いました。

Ramune Method #05 塙 翔太
目標を達成するためのエネルギー源

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塙 翔太
合同会社コアデザイン代表、ORIGINAL RUNNING EDUCATION主宰。アスレティックトレーナー/トレイルランナー。多くのチームスポーツや日本代表レベルの選手にも指導経験があるアスレティックトレーナーであり、自身もトレイルランナーであることから、トレイルランニング初心者からトップランナーのトレーニングサポートも行う。トレーナーという立場を生かし、セルフケア講習や個人に合った無理のないトレーニング指導でけがなくスポーツを楽しめるようにと願い活動中。

歩いてもOK、気軽に楽しめるスポーツ


ー 昨今、トレイルランニングを始める人が増えているように感じます。改めて、トレイルランニングとはどのようなスポーツですか?

トレイルランニングはアメリカが発祥で、林道、木段、砂利道、登山道など舗装されていない道(トレイル)を歩く、登山の延長のようなスポーツです。コースの距離は、短いもので5〜10km、認知されている国内レースでは420kmまで幅広くあります。

トレイルランニングの最大の魅力は、なんと言っても自然の景色ですね。僕自身、走るのが苦手なタイプでしたが(笑)、友人に誘われて始めてみたところ、すっかり景色に魅了されてしまい、気がつけば、様々なレースに参加するようになっていました。

日本では、昨今の登山人気の延長で、登山経験者の40〜50代の方を中心に人気が高まっています。登山では味わえない爽快感や達成感があり、愛好者が年々増えてきています。グローバルに活躍する選手も出てきていて、昨年は、SWS(スカイランナー・ワールド・シリーズ)で上田瑠偉選手が日本人初となる総合優勝の快挙を達成しました。

僕個人としては、若い世代にも、もっとトレイルランニングの魅力を知ってもらいたいですね。トレイルランニングはずっと走っていないといけないイメージがあると思いますが、歩いてもOKなんです。数日かけての長距離レースなどでは、途中で通過する村の方達とお話をしたりすることもあります。ハイキング感覚で気軽に楽しんでもらえるように情報発信をしたり、環境整備に力を入れているところです。

トレイルランニングを楽しむ、2つのコツ

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ー 実際に体験しましたが、自然の中を走る爽快感に、早速はまりそうです!一方で、数kmのコースを走っただけでも、身体への負担や体力消耗は相当なものでした。トレイルランニングのレースは、数十km以上のコースを長時間かけて完走しなければいけない、心身ともに過酷な印象があります。過酷なレースを勝ち抜くために、どのような取り組みをされていますか?

トレイルランニングを楽しむためには、2つポイントがあります。

1つめは、常に判断力をクリアにしておくことです。
トレイルランニングは、舗装されていないコースを走るので、足を置く位置ひとつとっても、頭をフル回転し、瞬時に正確な判断をする必要があります。判断を間違えれば、滑落や転倒などで命の危険も十分にありえます。また、長いレースになればなるほど、眠気や疲労で判断力が鈍ってくるので、いかに判断力を持続させるかが大事になってきます。

2つめは、血糖値を一定に保ち続けることです。
トレイルランニングは、運動量が多く、かなりのエネルギーを消費します。血糖値の値を上下動なくできるだけ一定にキープできるように、栄養補給を行うのですが、栄養補給にも戦略があり、補給する食品の吸収の速さなどから、自分に合ったものを選んで、摂取するタイミングを計算する必要があります。

僕は、この2つを解決するために、練習中や大会では、森永ラムネを取り入れています。

栄養補給は、ジェルやチョコレートなど、様々な商品を試してみたところ、値段、購入の手軽さ、持ち運びやすさ、味、脳のエネルギーになるか、などの観点から、森永ラムネにたどり着きました。
自分の場合レース中は、45~60分に1回栄養補給をするので、ゴール予想タイムが40時間のレースだとエイドステーションの補給を考えても約30~40個程度用意する必要があります。これが例えば数百円する商品だと、結構な値段になるんですよね(笑)

その点、森永ラムネは良心的な価格です。それに、ぶどう糖は吸収の速さとエネルギーの持続力のバランスが良く、レースの距離が長くなればなるほど、その効果を実感することができます。

自分にあった栄養補給の方法を見つけることの大切さ

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ー 栄養補給による血糖値コントロールが重要になってくるんですね。どのようなタイミングで森永ラムネを取り入れているのでしょうか。

80kmのレースに出場したのですが、森永ラムネの摂取の仕方の違いで、失敗したレースと成功したレースがありました。
失敗したレースでは、50km走った時に、お腹が空腹で低血糖状態になっていたので、リカバリーするために森永ラムネを1本の半分ぐらい一気に食べたんですね。すると、インスリンショックが起きてしまい、めまいと手足の震えが止まらなくなって、座り込んでしまいました。

その失敗もあったので、次のレースでは、GI値の低いりんごのジェルをベースに取りながら、合間に森永ラムネを数粒食べる方法に変えてみたんです。その方法が自分には合っていたようで、最後まで力を発揮することができました。

栄養補給の成功、失敗で、翌日の筋疲労感も全然変わってきます。エネルギー(糖質)が無くなると、筋肉を分解して勝手にエネルギーにしてしまうので、筋肉疲労が起こりやすくなりますが、糖質を上手に摂取できたレースの翌日は、筋肉痛が少なく疲労感もほとんどありませんでした。僕にとって森永ラムネは、目標を達成するためのエネルギー源です。


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