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シン・エヴァンゲリオン

昨日、3月8日にシン・エヴァを観てきた。

私はたしか高校1年生の時に金曜ロードショーで新劇の序と破を観たのがエヴァとの出会いだった。その時、なんて畏ろしく、ワクワクする作品なんだ、と感じた。そして新劇Qは生まれて初めて1人で映画館に観に行った作品だった。
観た感想は「わからない」「疲れた」だった。なのに面白かった。そこから私はアニメ、旧劇、漫画と漁り尽くした。二次創作や考察動画まで漁った笑
高校1年生だった私は大学を卒業し、社会人になり、しかも仕事を辞めて無職になった。紆余曲折あるもんだ。それだけの時間、エヴァについて考える機会があり、完結を待ち望み、完結するのを寂しいと感じていた。
シン・エヴァンゲリオン、これは希望だと思った。旧劇が絶望だとすれば、新劇は希望がテーマのように感じられた。
正直、ケンスケやトウジが出てきた時は夢オチかとも思ったが、本当に生きていた。生きて、人と助け合い、次の世代へと命を繋いでいた。それだけで涙が出そうなくらい嬉しかった。
黒波がそっくりさんと呼ばれながら、おばちゃんたちと農業する姿が新鮮だった。人間としての感情を覚えていく姿が綾波レイだった。本当に綾波は綾波だった。
アスカがQでどうしてシンジを殴りたかったのか。3号機の時、自分で何も決めなかったから。
そこまで考えられたシンジの成長とアスカのこれまでの思いを考えるとまた泣きそうになった。特にアスカはずっと損な役回りだったからこそ、今回はケンスケという救いがあったことが何より嬉しかった。個人的にはアスカとシンジが2人で幸せになって欲しかったが、それは旧劇のラストを思うと、どうしたって無理なんだ、と思い出される。だからこそ、2人が別々の道を歩むことで、それぞれ幸せになれるのなら、それでいい、と思えた。シン・エヴァのラスト、アスカとシンジのシーンは、旧劇では叶わなかった私(ファン)の願いを叶えてくれていた。
ミサトは14年間の間に子供を産み、子供には自分のことを明かさない。関わらない。それはゲンドウと似ている。ミサトとゲンドウは対比のようだった。希望と絶望。新劇と旧劇。180°違うからこそ似ている2人だと感じた。
シンジに「行ってらっしゃい」と言うミサトと「行ってきます」と応えるシンジのやり取りに泣いた。これが見たかったと思った。そして最後、サングラスと帽子を取り、昔の髪型で、昔のミサトを彷彿とする言葉で、母としての最初で最後の言葉と行為に鳥肌が立った。
リツコとミサトは運命共同体だと思っていたが、違った。リツコはずっとミサトの傍でミサトを支えていた。ゲンドウと相対する時も一緒だった。リツコが躊躇いなくゲンドウを撃ち、少し震えている姿に、旧劇のリツコの姿を思い出し、この世界のリツコは強くなったんだな、と感じた。そして、最後は未来を託された。ミサトとヴンダーと一緒に逝くのではなく、未来のために生き残る。私はリツコがこの先何度も、ミサトと加持を思い出すのかもしれないと思うと、胸が締め付けられた。残され、託された側は大変だ。
カヲルは電車のシーンの途中から突然現れた。カヲルの役目や運命について初めて説明らしきものがあった。カヲルはカヲルで縛られていた。そして加持との関係が示された。加持がどうしてネルフの機密に迫れたのか、カヲルがどうやってチルドレンとして巡れたのか、わからないなりにストン、と腑に落ちた気がした。カヲルとシンジのやり取りは救いだった。ここで本当に終止符を打たれた。
マリは破から登場だった。漫画ではユイへの思いが描かれていた。アスカとの絆、冬月との会話、「ユイさん」と呼びかける姿、シンジへの救い。何もかもが綺麗だと思った。謎は未だに残るが、彼女がいたからあの未来が実現したんだ、と思うとそれだけで嬉しかった。ありがとう。
シンジは最初失語症のようになっていた。私はシンジの「どうしてみんなこんなに優しいんだ」という言葉の重みに揺さぶられた。そこから立ち直り、リョウジとの写真に泣きそうになった。サクラたちヴィレのメンバー達の葛藤、思いと優しさに、君は1人じゃないと思わされた。シンジがミサトにリョウジのことを話しているシーンは大人だった。温かいぬくもりを感じた。ミサトの槍を受け取ることが出来たシンジ。その思いは重い。命の重さだった。
シンジがゲンドウに向き合う中で、子供だったシンジが大人となり、大人だったゲンドウが子供になっていた。この時の電車のシーンは懐かしく、趣さえあった。そしてあの綾波レイとの再会、大人として作る世界、未来、全てが輝いていた。それがミサトと分け合った責任であり、希望だった。
ユイはこの時のために、ずっとここにいたんだ、と思わされた。母親、というエヴァの中では常にキーワードになっていた象徴。ゲンドウもマリもシンジも、ユイによって救われたと思うと、この四半世紀は無駄ではないのだ。この期間があったからこそ、の物語だった。

長くなりましたが、ここまで壮大で、愛に溢れた物語を完結させてくれてありがとうございました。
こんな独り言のようなまとめを読んでくれてありがとう。

きっと、ずっと私はエヴァという物語が大好きだ。

#シン・エヴァンゲリオン劇場版
#ネタバレ

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