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【書籍紹介】論文図表を読む作法

生命科学や医学分野の原著論文を読み解く上で非常に頼もしい相方となるであろう書籍と出会った。タイトルは「論文図表を読む作法~はじめて出会う実験&解析法も正しく解釈!生命科学・医学論文をスラスラ読むためのFigure辞典」である。

生命科学・医学分野の論文で頻繁に登場する図表(=Figure)をどのように解釈すれば良いのかまとめられた一冊である。アガロースゲル電気泳動、PCR、ポリアクリルアミドゲル電気泳動など、学生実験でも行う基礎的な実験手法はもちろん、次世代シーケンサーなどを用いた網羅的解析まで、幅広くカバーされている。p値やt検定などの検定に関する解説も第1章でまとめられている。

115種類の実験・解析法を280ページで解説している。1つのテーマにつき割ける紙面は2~3ページ程度だ。各テーマ毎に分厚い解説本が1冊書けてしまうようなものなので、これだけ簡潔にまとめられているのは凄い。1つの論文に掲載される図表の種類も年々増えているので、分からない図表が出てきたときはまずは本書を頼ると良いだろう。

新しい実験手法、解析手法が次々と考案され、それに伴い新しい図表も続々と出てくるので、版が重ねられていくことを願いたい。

余談だが、本書の編集を担われた牛島俊和先生と中山敬一先生は高校時代のクラスメートで、牛島先生が中山先生に声をかけてこの仕事がスタートしたとのこと。私もいつかかつての学友と一緒に仕事がしてみたいものだ。

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