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私たちについて

はじめまして。NPO法人コミュネット楽創(らくそう)と申します。
北海道札幌市で障がい者福祉・就労支援事業をしている市民団体です。
事業の中心は障がい者福祉ですが、そのほかにも地域の茶の間事業やイベントの企画運営、調査研究(これらについては後々記事にしていこうと思います)なども行っています。
障がい者就労支援については、事業所を多数抱える大手に総数ではかないませんが、小さいながらも事業所単位では大手にも負けない国内有数の就労実績を誇っています。

今回、私たちの自己紹介とともに、noteを書き始めたきっかけを書きたいと思います。

私たちは1998年に精神障がいのある方のための小規模作業所を始めました。
小規模作業所とは、障がいのある方が通いながら手仕事などで工賃というわずかばかりのお金を稼ぐところで、地方自治体の補助金によって細々と運営されていました。
今では、法律も変わったのでいろいろなサービスを利用できる時代になりましたが、当時は精神障がいのある方が利用できる数少ないサービスでした。
創業者は、精神障がいのあるご家族がおり、ご自身もどうしたらいいかを悩んだ経験を持つ普通の主婦でした。悩み、迷い、いろいろな方を訪ね、専門家や同じような境遇の方と出会うなかで、精神病院を退院したものの、同じように悩み、迷い、昼間に行き先をもたない患者・障がい者がたくさんいることを知りました。そして、かれらが安心して受け入れられる居場所として小規模作業所を始めました。

小さなあたたかい場として人が集い数年たったころ、創業者からのバトンタッチを見据えていく時期が訪れました。
後をだれか一人で背負うには、一緒に支えていた私たちはまだ若く、資金も経験も何もかもが足りなかったので、2003年にみんなで協力して運営していくNPO法人を設立しました。(当時は、今以上にお金もない弱小任意団体だったので、設立可能な福祉法人はNPO法人だけだったのです)

時代に目を向けると、この時期は障害者福祉にとって大きな転換期でした。2004年に障害保健福祉の「改革のグランドデザイン案」が公表され、のちの障害者総合支援法につながる障害者自立支援法ができた時期であり、公設施設を「指定管理制度」により民間委託できるようになるなど、福祉が行政による「措置」から民間による「サービス」へと大きく変化していったころでした。
IPSという就労支援の方法が日本に紹介されたのも同時期で、私たちが行政から授産施設(小規模作業所を大きくしたようなもの)の運営委託を受けてIPSに取り組んだのも丁度このころでした。(このIPSもいずれ記事にする予定です)
このことが大きな転機となって、障がい者の「居場所」から始まった私たちの活動は、少しずつ「仕事」の支援:就労支援へとシフトしていきました。
変化のなかにあって、私たちは「障がいの重さにかかわらず、働きたい人は誰もが働ける」と考えるようになりました。それは、支援した方が、困難があっても働いていく姿を見せて教えてくれたことでした。

2020年代に入り、ダイバシティ、インクルーシブ、SDGsなど、人の多様性が重視されるようになりました。障がいのある方が企業で仕事をすることに対しても追い風も吹いています。
その一方で、障がい者は、弱く、能力もなく、みなとは違う、というような根強く残っている差別・偏見をいまだ感じることもあります。就労支援をしていても、企業や障がい者自身も仕事への躊躇を見せることもありますし、それ以上にサポートする支援者が仕事に対して慎重で、就職への一歩を踏み出す前に、多くの時間を費やさせていることにも出会います。
それでも「人が人の役に立つ」そして「人の役に立てることを嬉しいと思う」ことは、人の本質的な願いだと思います。「役に立ちたい」「働きたい」という小さな希望を心の底で誰もが持っているのです。
そんな、小さな希望だけを頼りに私たちは就労支援をします。その「希望」は、小さくともとても強いもので、それはダイヤの原石だとかれらが教えてくれたからです。

小規模作業所から始まった私たちは、現在、就労移行支援事業所を2カ所と、行政から委託された就業生活の相談室を運営するようになり、今まで1000人以上の就職に立ち会ってきました。
これからも「働きたい」と願う方が訪ねてくると思います。
私たちは、そんな願いをかなえるお手伝いをしていきたいと思います。

こんな思いを、より多くの方に届けることができないかと書き留めてみることにしました。
これからコミュネット楽創の中にある就労支援委員会に所属する者が交代しながら、それぞれの考えや経験を発信していきたいと思います。
小さな動きかもしれませんが、誰もが当たり前に働ける社会を目指したいと思っております。
気長にお付き合いいただけますと嬉しいです。


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