見出し画像

『アナログバイリンガル』

「おい!お前さっきから何言ってるかわからねーぞっ!」

3組のタロウが怒鳴り散らしている。

あの子、いじめられてるのかしら。ちょっと心配。

「ごめん。◯@;:%※Σ・・・」

これは止めに入るべきかなあ。

「なあ!?ちゃんと聞いてるのか!?」

「・・・@;:%※Σ!うん、□>☆;:※Σ※」

あの子もきちんと言い返せば責められないのに。






と、そのとき。

鳥かごのなかで羽根を大きく広げたオウムが叫んだ。

「俺らがみんな人間の言葉を真似すると思ってんぢゃねーぞっ!」

突然のことに驚いたタロウは尻もちをついた。

「俺は、人間以外の声なき声も聞いて、その願いを叶えるのに忙しいんだよっ!お前らの戯言だけを聞いてるんじゃないからな!」

ことの成り行きを傍観していた天使はため息混じりにつぶやいた。

「あーあ。“連続的に延々と二言語を操る”なんて神業なのだから、そんな相手には注意しなくちゃなのに。もう方舟が出港するけど、どうやら人間は乗せてもらえなそうね。」





500円あればワンコイン寄席に行けちゃうんです☆もっと落語や寄席に行って、もっともっと楽しい記事を皆さんにお届けします♪