八仙花

八仙花 八仙花。紫陽花(アジサイ)の古い呼び方だそうです。5月末になると、我が家の玄関入った突き当たりの壁には、この掛軸がかかります。我が家は、木造軸組工法ながら、外見はプロヴァンス風で、床の間はおろか、畳一枚すらありません。プロヴァンス風のざっくりした手塗りの白壁にダラリとこのお軸を床面ぎりぎりまで掛けてあるのですが、識者の皆様からはツッコミどころ満載なのかもしれません。外国人コレクター風の楽しみ方とか言い訳をしながら、個人的にはこの風情を気に入っています。
八仙花__2_ 数年前から清水の舞台から飛び降りる気持ちで、日本画の掛軸を買うようになりました。ちなみにこのアジサイは、安田靫彦作。この画家のように美術館で展覧会が開かれるような方の作品でも、こうした日常がけのものだったり、色数が少なかったり、サイズがさほど大きくなかったりすると、実は少し他の贅沢を我慢すれば、手の届く金額で買えるのだということを知ってしまったのです。今や、ほどほどに季節で変えて生活のリズムを整えられるくらいの本数を持つようになってしまいました。
画像3 出かける前に一目。帰ってきて一目。一番身近な楽園が、玄関先にあるということが、最高の贅沢です。

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