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海外の楽園

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海外旅行と海外出張で発見した楽園。ヘッダの画像は、セザンヌ旧宅近くから見たサン・ヴィクトワール山。
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記事一覧

視覚の楽園・桜音夜@京都・平安神宮へ

 仕事もあり、海外からの観光客で溢れかえった京都へ、行って参りました。昨年も見に行きましたが、平安神宮の夜桜イベント「平安神宮桜音夜」で楽園体験。昨年は、桜がかなり散ってしまっておりましたので、ここに書くことは控えましたが、今年は桜もほぼ満開となり、素晴らしい体験となりましたので、ここに改めてご紹介しておきます。 6日(土曜日)は、ソメイヨシノは満開でしたが、紅枝垂桜は8分咲きといったところでしょうか。谷崎潤一郎の小説「細雪」の中で、平安神宮の紅枝垂桜は美しく描写されて、昔

建築とホテルの楽園=オットー・ワグナーの水門監視所とホテル・ラディソン・レッド・ウィーン

下記のような記事でスタートした楽園探訪のウィーン・シリーズですが、行く前に気になっていたのは、やはりオットー・ワグナーの建築でした。その中でも比較的行くのが少し面倒で、時間がなくなると行かなさそうな案件のそばにホテルをとって、心ゆくまで堪能してみようと考えて、実行してみました。それがカイザーバードの水門監視所とラディソン・レッド・ウィーン。 ドナウ運河に面した場所にあるカイザーバード水門監視所を、ドナウ運河の北側に位置するホテルの窓から眺めるとこんな感じです。アールヌーヴォ

ブリュッセル幅3.75Mのアールヌーボー建築をnoteのおかげで思い出した。

上記クリムトが描いた貴婦人=ソーニア・クニップスの家(ヨーゼフ・ホフマン設計)の記事をアップしたところ、自分の記事に紐づいて目についたのが下記の記事。アールヌーヴォー建築の創始者ヴィクトル・オルタの建築がたくさん残っているベルギーのブリュッセルで見た、オルタの弟子ストローヴァンの自宅の建物についてのものでした。こういう出会いがあるところがnoteが素敵なところです。 2018年にダルムシュタットに行ったタイミングで実はブリュッセルにも足をのばしていたのですが、自分のものぐさ

建築の楽園・クリムトが描いたソーニアの家

実は一昨年と昨年に2度ウィーンに行く機会に恵まれました。あまりに素敵な街で、たくさんの楽園を見つけてしまったので、どこから書いていいのか迷っているうちに時間が過ぎてしまいました。いい加減もったいないので、そろそろと思って書き始めましたが、やはり迷います。えいやってことで、かなりニッチな場所から始めることにしました。 ソーニア・クニップスの家。 誰それ?ですよね。この記事を見ればイメージできますか? ベルヴェデーレ宮殿の美術館にあるクリムトの名作に描かれた貴婦人。それが、

【建築】建築と自然が最高に調和した落水荘(フランク・ロイド・ライト)

Fallingwater なんと美しい名前だろう! 落水荘 直訳なのに、漢字も読み方も美しい! フランク・ロイド・ライトの最高傑作との評価もある落水荘は、1936年にペンシルベニア州ピッツバーグのデパート経営者であるエドガー・J・カウフマンの週末の別荘としてつくられた。 ピッツバーグは鉄鋼業を中心として1960年代まで発展してきた都市だ。落水荘が建てられた1930年代は正に鉄鋼業が盛んであったが、同時に大気汚染の問題も抱えていた。そうした中、都市から離れた地に別荘をつく

世界遺産アルハンブラ宮殿内のホテル「パラドール・デ・グラナダ」

世界遺産アルハンブラ宮殿のエリア内に、イスラム時代宮殿の遺構に作られた修道院跡をそのままホテルにリノベーションしたのが、パラドール・デ・グラナダです。あなたが、アルハンブラ宮殿をじっくり見たいとおもっているならば、この国営ホテルは最高の施設と言えます。なにしろ、メインの宮殿と離宮ヘネラリーフェの中間地点にあり、どちらも10分もかからない徒歩圏にあります。私は、ホテル内のテラスレストランで夕食をとったあとに、夜間見学コースを体験し、翌日も朝一のコースで予約して夜と昼アルハンブラ

イスラム建築最高の楽園=世界遺産アルハンブラ宮殿(スペイン・グラナダ) <ナイトクルーズ編>

スペイン放浪生活さんの<1分間でスペイン旅行>に刺激されて、2014年のフランス・スペイン旅行の写真を掘り出してきました。スペイン南部のアンダルシア地方の都市グラナダにあるアルハンブラ宮殿。スペインといえば、ガウディとアルハンブラでしょうということで、この時の旅行はバルセロナを起点に、グラナダへ。タイトル写真は、月夜のアルハンブラ宮殿。夜間見学コースで撮影して参りました。夜のアルハンブラを何としても体験したかったのです。要ネット予約。 昼間の宮殿よりも、中世のアルハンブラの

世界遺産=平遥の豪商邸宅リノベホテル

上記、前回の記事でも最後にふれたホテルのことを本日は改めてご紹介します。世界遺産の平遥古城の西門からもさほど遠くない場所にあります。西門から西大街を少し東に進み、三筋ほど過ぎて、沙巷街という細い道を南へ50メートルほど行くと…。 左側に。 「一得客栈」この看板をお見過ごしなきよう。そして、看板手前の路地を… ためらうことなく、奥へと進むと突き当りが、フロントになっております。 路地の右側全体と、左側の奥スペースがホテル。左側手前は普通の民家だったので、お間違えなきよう

明清代へタイムトラベル楽園都城。世界遺産=平遥古城!

 ご無沙汰しておりました。夏休みが終わり、少し忙しくなり更新できずにおりました。  さて、ゲームの三国無双や放置少女、謀りの姫ファンのみなさん!あるいは、ドラマ武則天や瓔珞など華流に夢中のみなさん、そうしたゲームやドラマの世界観の城塞都城を中国で体験したければ、間違いなくこの街です。山西省晋中市平遥県=平遥古城。明や清時代の中国都城の雰囲気を唯一残していることから、世界遺産に指定されており、もはや中国有数の観光都市です。昨年夏訪れた時も、中国国内の観光客はもちろん、欧米の観

食の楽園・世界一の麺=ビャンビャン麺@西安・天下第一麺

一年前の中国旅行で経験した、自称世界一の麺をご紹介します。日本でも食べられますが、天下第一麺を店の名前とする、ビャンビャン麺の本場=西安の味はやはり本場ならではのものがありました。 「武則天」の旦那=高宗が、母・文徳皇后のために建立したのが、上写真の大雁塔です。高宗と武則天の墓=乾陵は下記の記事でご紹介しましたが、乾陵観光のあとに向かったのが、大雁塔の近くにある天下第一麺の大雁塔店。大雁塔が見えても。写真のように大変な交通渋滞でなかなか到着しません。なにしろ西安は、今や10

上野で盛り上がり中!!ロンドン・ナショナル・ギャラリーの「来てない絵画」

今、初来日の名作群が、上野・国立西洋美術館で話題となっているロンドン・ナショナル・ギャラリー。2015年、あるアーティストの欧州ツアーに同行したときに、ロンドンで空き時間に覗いてきました。こんなに早く日本に来るとは思ってなかったので、一時間半でかなり無理なスケジュールで、近代フランス絵画とターナー、スペイン絵画、ダ・ヴィンチあたりを超駆け足で回りました。 美術館正面から振り向くと、トラファルガー広場ごしのビッグベン。 入口部分から気分が高揚しますね。天窓の天然光の使い方が

町全体を宿と見立てる、イタリアのアルベルゴディフーゾ

年末年始イタリアに行ってきたのですが、ここ数ヶ月で状況が激変し大変なニュースに心を痛める日々です。また訪れることが出来るように応援の意味も込めて、noteで紹介したいと思います。 私は大学時代に日本の限界集落でフィールドワークをしていた経験から、地方創生というテーマに強く関心を持っています。海外を旅するときもローカルな取り組みやリノベーション事例などを調べて周るようにしていますし、何なら見たい事例ドリブンで旅先を決めることすらあり、今回のイタリアもそうでした。今回紹介するア

いよいよ佳境・BS11「武則天」と世界一の古墳=乾陵

昨年、敦煌へ旅行に行ったことは「はじめに」で書かせていただきました。 敦煌に行くにあたっては、西安(昔の長安)を拠点として、その周辺を観光したのですが、そのことはまたちゃんと書きたいと思っております。その旅の中から、いよいよBS11での中国のテレビドラマ「武則天」が、いよいよ佳境に入って参りましたので、それに関連した遺跡のご紹介。ドラマの主人公=武則天とその夫=唐の高宗が葬られた乾陵です。主人公二人の墓でありますから、聖地巡礼の筆頭です。 アイコン写真は、あえて武則天では

理想宮という名の、究極の私的楽園・シュヴァルの理想宮@オートリーヴ(フランス)

上記、ボキューズ&ラ・ピラミド体験をしたフランス取材撮影旅行の時、無理矢理行程に組み込んだのが、アイコン写真にあるシュヴァルの理想宮でした。パリから南仏へ国道7号線を旅するという企画だったので、ヴィエンヌからアヴィニヨンへ向かう途中に、7号線からかなり逸れに逸れてやって来たのが、フランスの「へそ」くらいの位置にある田舎町=オートリーヴでした。あの時巻き込んだ取材班のみなさん、完全な公私混同であったことを謝罪致します。 シュヴァルさんは、20世はじめにこの村で生きた郵便配達夫