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都会のオアシス3 OrigInn Space(台北・台湾)

世界には思い出深い宿というものがある。今回紹介するオアシスは、台北の小さなホテル、OrigInn Space。私は宿を探す時は条件を絞って最安値を探す。たとえばお風呂にどうしても入りたい時はバス付きで最安値とか。でもたまには気取ってみたくなる時があり、この時台北に4泊した僕は、そのうち1日をこの宿にした。

都会にはさまざまな街があり、さまざまな街には好き嫌いがある。たとえば東京なら、新宿より渋谷の方が好きとか、上野は嫌いだけど浅草は好きとか、色々あるだろう。この宿は台北の迪化街(ティーホアチエ)という問屋街にあって、古い建物が多く、街中なんだけど少し落ち着いた印象もある。この街はLuguo CafeとかASW Teahouseとか大好きなカフェがたくさんあり、一人で時間を潰すにはいい街だ。さて、そんな古くておしゃれな街、迪化街のビルをリノベーションして作られた宿がこのOrigInn Spaceである。中はワンフロアづつ回廊になっていて、階下の中庭を見下ろせる西洋風建築。メインストリートに面した外からは想像できないほど中は優雅で広い。見ての通り、机もあるし、何かが許すなら1ヶ月ぐらいここにいたいと思った。まさに都会のオアシスである。

部屋にはレコードプレーヤーと2枚のレコードがあり、私がそのレコードを眺めているとホテルのスタッフは僕の前でレコードを回してくれた。それは、アデルというアーティストの21というアルバムである。アデルはイギリスのアーティストである。台湾とイギリスには何の関連性もないが、歩き疲れた私にアデルの歌声は優しく染み渡った。そのアルバムを聴いていると不思議と睡魔が訪れて、私はチェックインした夕方から、軽く眠ってしまった。

客室にあったアデル「21」のレコード

OrigInn Space


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