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かいだんから落ちる

階段をみる
下から仰ぐ
血痕


声はなかった

あるときプツンと切れた
生きているものと切れた
関係が終わった

事故というにはあまりにも
用意されていた
あっけない
あっさりとした
父らしい
と言うしかなかった

DNAは生きていて
関係は終わらなかった
子から孫9人へ

父は3人の孫と会わずして
母は2人の孫と会わずして

わたしは荷物をいっぱい抱えたまま
雑踏の中へ
かき分け
ずっとかき分けて
両親を探し続けるのだ
一心不乱に
それが生きている証