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第1回:デマレージ(保管料金)解決ノウハウを凝縮(船社・フォワーダー用)

こんにちは!ラクです。

今日はデマレージ(保管超過料金)の問題についてです。

私たち海運・国際物流業界の人間にとって、輸入コンテナの保管超過費用(デマレージ)の回収は頭の痛い問題ではないでしょうか?😨

「Demurrageがすんごい膨れ上がってる…
でも、これ全額払ってくれるのか…
そもそも、いつコンテナ引き取ってくれるのか…」

全然コンテナヤード(CY)からコンテナを引っ張ってくれない…
そんな状況、遭遇したことありませんか?

それが日本であれ、海外であれ…🌎

そうすると、担当者としては、やきもきする毎日になるんですよね。

  • 他の業務もある中で、全然引き取りにきてくれない。

  • さらに社内や海外の支店もあまり協力してくれない。

  • 社内マニュアルはあるものの、問題は解決出来ない。

  • 社内での仕事の押し付け合いになっている。

それはおそらく…

問題の捉え方」が分からず、かつ「どういった対処が可能なのか?」…
という点が見えていない状況です。

これは逆に言えば、以下のことが言えます。

・問題の捉え方が分かれば、無駄な議論に巻き込まれない
対処の「限界」が分かれば、余計な労力を避けられる
適切な情報源が分かれば、リサーチに時間がかからない
協力を要請するタイミングを逃すことが無く、叱責されない

そこで…

これから全5回にわたり、長期滞留中のコンテナおよびデマレージの回収に困ったときの対応について、本音トークでお話ししたいと思います!🌟

今回を含めた全5回のブログ内容

  • 第1回:デマレージが問題になる深刻なケース(←今回のブログ)

    • 深刻になる3つの理由について

  • 第2回:部門横断の協力を得るコツ

    • 「営業・CS・法務」という考え方の落とし穴

    • 「マニュアル」という落とし穴

    • 部門間の連携を強化する2つの軸

    • リサーチ業者による「支払能力」の確認

    • いつになったら「マズイ」状況なのか?

  • 第3回:「支払能力の高い顧客」の対応

    • 期限管理の重要性

    • 信頼関係を維持しながらのアプローチ

    • 「損害があるから、引き取らない」ケース(+判例)

    • 「A/N未達で、引き取れなかった」という苦情(+約款)

  • 第4回:「支払能力の低い顧客」の対応

    • 資金繰りや市場の変動に対する理解

    • 船社やFWDとして最も「困る」状況

    • 留置権や競売と言った手段

    • それでもタダでは引き取らせない

    • 分割払いの合意書サンプル

    • 輸出側との連携に必要なポイント

    • B/Lの発行を止めることについて

  • 第5回:最も回収が難しい顧客への対応

    • 「特殊案件」である理由

    • まずはコストを減らす

    • 積み地側へ協力を要請すべき5つの点

    • 船社やFWDが代わりに廃棄する?

    • Abandonment Letterについて


デマレージが深刻になるケース

海上運賃なら、さほど未回収になることはありません。しかし、デマレージとなると話は別。なかなか回収しづらいんです💦

全然コンテナを引き取ってもらえず、デマレージだけがどんどん膨らんでいく…

そんな悪夢のような状況が、実は珍しくないんです。

なぜそうなるのか❓

以下、3つの主な理由を挙げます。

1.金額の確定が、「ヤードから引っ張った時点」だから

ひとつは、デマレージが「コンテナをヤードから引っ張った時点で金額が確定する」という性質を持っているから💰💰

つまり、コンテナを輸入側のターミナルから引き取らない限り、船社やフォワーダーにとって回収すべき金額が確定しないんですよね。

それまでは…
船社やフォワーダーも強いアクションを取りづらいという背景があります。

2.単純に、債権回収のアクションが手間だから

船社やフォワーダーにとって、デマレージ金額の回収を専門にやっている部署など無いかと思います。

その理由はシンプルで、そもそも「発生の確率」自体は高くないんです🔢

つまり、敢えて部署や専任を置くほどの日々の業務量が無いと考えられます🙅

しかし、一旦発生すると…
ジリジリと業務量が増え、精神的負担も増えてきます。

サッサと荷主に支払ってほしいと望みながら、
誰も突っ込んだアクションを会社としてなかなか取らないんですよね。

3. 社内でのバランスを求められる難しさ

デマレージ金額の対応には、主に以下3つが考えられます。

  • 営業的対応(顧客との関係と将来の商売)

  • 実務的対応(主にマニュアルに則った対応と社内記録)

  • 法的対応(法務課やクレーム課による対応)

これらすべての観点から、デマレージについて考えられる人間は、そもそも社内にはあまり居ないのではないでしょうか?

仮に居たとしても、すべての観点を論理的に捉え…
かつ海外を含めた社内関係者に適切なアプローチを取るなんていうのは…

すんごいハードルの高さです😲💥

そういう難しさを知らない「声だけがデカイ」中途半端な地位にいる承認者と、バチバチ交渉をやり合わなくてはいけない…

それもストレスだったりしませんか?(笑)

社内の混乱、影響…そして対応…

デマレージが膨らむと、船社やフォワーダーの社内でも混乱が起きがちです。

以下のような事象、心当たり在りませんか?

  • 「誰の責任なんだ?」と責任の押し付け合いになる。

  • 積み地側に対してShipperへの連絡を促すものの、対応が不十分。

  • マニュアルはあるものの、肝心な情報が無い。

  • 営業・実務・法律の「間」の検討について、ステップが不明

  • 経験者がそもそも社内におらず、適切なアドバイスができない

最終的には「誰か」が、泣く泣くデマレージ免除の社内申請をする…

承認者が海外だったりすると、説明が大変なんですよねー…😿


でも、それで解決するとは限りません。

たとえデマレージを減額あるいは免除したところで、すでに荷主さんが「コンテナ引き取りの意思」すら失っているケースもあるんです。

そうなると、さらに問題が大きくなります。

少し長くなってきてしまいましたので、今回はこの辺で。

反響に応じて、これから何回かに分けてblogを書いていくつもりですが、
もし急ぎでお困りの方がいらっしゃれば、ぜひ以下の本を読んでみてください。

では、さらに突っ込んだ話に入っていきます!

ご興味のある方は、ぜひ以下から!


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