#4 音楽とは装備品である
音楽には、人間を強くする作用がある——!
自分はそう信じている。
中学校1年生の頃、中高一貫校へ通うことになった自分は、著しい環境変化によって、情緒不安定状態になってしまった。
体は大きいくせに声が小さく、暗く、気弱だった。
当時、クラスメイトからは「お前って暗いよなぁ」と言われたほどだ。
勉強もうまくいかない。人間関係もうまくいかない。部活もうまくいかない。
本当は入りたくなかったが、先生に勧誘され断ることができず、剣道部に入った。結果的に体育会系の姿勢に着いていけずに泣きながらやめてしまった。
13歳……最悪な1年を過ごしてしまったのだ。
そんな自分を大きく変えてくれたのは、音楽だった。
L'Arc~en~Ciel、ポルノグラフィティ、Mr.Children、B'z、BUMP OF CHICKEN、マキシマムザホルモン、米津玄師、GLAY、Green Day、Oasis、The Beatles、Led Zeppelin、Radiohead、Foo Fighters、Coldplay、Kasabian、Queen、Sigur Ros、U2、Bjork、Adele、Miss Li、Avril Lavigne、My Chemical Romance……
初めて音楽にハマッた14歳から今に至るまで、上記のメジャーなアーティストを中心にいろいろな音楽を聴いてきた。
それからは一切「暗い」などと言われることはなかった。
それまでスクールカーストのど底辺だった自分が、音楽一つで真ん中くらいに上ることができたのであった。
今でも通勤途中は音楽を必ず聴いている。でないと、仕事ができないからだ。できるかもしれないが、確実にパフォーマンスは落ちる。
そう思うと、音楽って装備品なのではないかと思う。
ドラクエやFFで装備品なしで進めていく人はなかなかいないだろう。縛りプレイとしてなら面白いと思うが。
はがねのつるぎを装備して攻撃力が上がるように。
はがねのよろいを装備して守備力が上がるように。
音楽を聴いていると、攻撃力も守備力も上がるような気がするのだ。
いや、実際上がっている。おそらくいずれも+150くらいされている気がする。
じゃあ、非装備の普段の自分ってどんだけ弱いんだと思う。
実際に弱い。「太ったね」って言われたら3か月落ち込むくらいに弱い。
しかし、嫌なことがあっても、音楽を聴いていれば自然と浄化されるものだ。0にはならないかもしれないが、弱めてはくれる。
これは、弱めてくれるというよりも、音楽が自分の心身を強くしてくれているのかもしれない。
試合前、本番前に音楽を聴くスポーツ選手というのもそういうことなのだろう。
音楽を作っている人、表現している人に本当に感謝だ。
作っている人だけではない。聴いている人々にも感謝だ。誰かが聞いているから生まれる音楽もたくさんあるわけだから。
音楽に携わっている方々、あなた方は自分のヒーローです。本当にありがとうございます。
落ち込んでいる人、自己否定してしまう人、自分を変えたい人、強くなりたい人。
音楽を聴きましょう。なんでもいいから自分の好きな音楽を。あるいはそれを見つけるために。
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今回の1曲:『Welcome To The Black Parade』 My Chemical Romance
『日々図書館員、時々遊び人』では、今後気まぐれに1曲選んで紹介したいと思う。アウトプット目的だが、同時にもしかしたら誰かが新たな音楽と出会ってくれるかもしれないから。
今回の1曲は去年復活を果たしたマイケミ最大のヒット曲。
音楽に携わる人たちに対してヒーローと前述したが、
『I'm just a man, I'm not a hero.(僕はただの人間だ。ヒーローなんかじゃない)』
と歌っているのがかっこよすぎる。
この曲を聞けば、攻撃力と守備力、そして体力が+250くらいされる。
立竹落花
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