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野良老猫を保護する現実...我が家の場合

前回の続きの前に、書かなければと思う事が浮かんだので、忘れない内に書いておきます。

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老猫で病気のおはぎを保護してみたら、若い先住猫のりんたろうとは全然違う事がよく分かった。鳴き声も全然違う。かすれているし、声に張りもないし、音量も全然違う。

そして、体臭も違う。りんたろうの臭い、つまり若い猫の臭い?それとも飼い猫の臭いなのかな?猫好きの人は、嫌じゃない臭いだと思う。でもおはぎの臭いは、饐(す)えたような独特な臭いがする。老いた臭いなのか、それとも病気だからか、長い野良生活した上で老いた猫の臭いなのか。おはぎ独特な臭いなのか。りんたろう以外に猫をこれまで飼った事がないので私には分からない。でも、猫のいる友人知人の家にお邪魔した時に、老猫でもこんな臭いは嗅いだ記憶がない。もう慣れたけど、正直良い臭いではない。

歯も2本しか無いから、画像のように口が常に少し開いているので、1日何度かよだれが出ていたりする。清潔にしてあげて、少しずつだけど太れて来て、目もしっかり開くようになって、だんだん可愛くなって来たし、甘える所もとても可愛い。でも、こんな風に臭いもあって、よだれも出る。咳やくしゃみはあんまり分からないけど、フローリングに跡が沢山付いているので、している様だ。なので、毎日こまめに拭かないと不潔になる。

舌も、猫は通常、ブラシみたいなトゲトゲが無数にあり、ザラザラしていて、それで毛繕いして毛を整えたり、清潔に保つ。でも、おはぎの舌にはトゲトゲが無い。つるつるなのだ。加齢でトゲトゲは無くなっていくのかな。それともやっぱり過酷な長い野良生活のせいなのだろうか。おまけに歯もほぼ無く歯周病で腫れもあり、口臭も強め。口内環境が悪いので毛繕いしたら、毛が逆に汚くなってガビガビになるし、色も付くし臭いも付く。でも彼女はレディーなので、綺麗にしているつもりで健気に一生懸命毛繕いしている。その姿はとても愛おしいのだが、逆に不潔になるので悩ましくもある。だから毎日は難しいのだけど、週に2〜3回、舐めても大丈夫な猫用シャンプーを混ぜたお湯を使った濡らしタオルで体を拭いている。

ベッドに敷いているミニ座布団もブランケットも、ゲージの1階に敷いているカーペットマットもトイレマットも数日経つと臭ってくるので、清潔を保つため週に2回洗濯して全替えしている。猫は小さいからそれ程大変では無いから、体の大きな人の介護はどんなに大変だろうかと思うけれど、でも猫も介護となると少々だけど手は掛かる。それがずっと飼ってきた愛猫では無く、ある日突然保護した老猫なのだ。でも何故か全然苦ではないから不思議だ。

あるご近所の人に、この事情を話したら「もう一回捨てに行く?」と言われた。私は「絶対捨てません。最後まで飼います。」と答えたけれど、そんな考えになる人がいるんだと知ったので、書いておこうと思った。瀕死の猫や瀕死の老猫に出会った時、助けたいと思ったら、以上に書いた様なお世話が出来る時間と労力が必要になってくる。もちろん準備しなくてはいけない猫用品も沢山ある。病院には必ず連れて行き、最低でも1度は血液検査もワクチンも虫下もしなくてはいけない。瀕死の猫だから最低限の治療は必要になるから、通院は天への旅立ちの日まで続く。先住猫がいたら、安全が確認できるまでは必ず別室が基本。知人から、友人が最近野良猫を拾ってから、先住猫全匹が体調崩してしまったと年末に聞いた。安易に保護するとこんなことにもなってしまう。

保護する前に、それが自分の出来る範囲にあるかどうか考えなくてはいけない。そして、一度決心して猫(犬でももちろん)を保護したら、責任をもって最後まで飼って欲しいと思う。でないと、折角保護してもらえたと思ったのに、途中でやっぱり無理となって、また捨てられてしまったら、その猫は余計に辛い思いをするのではないかな...

金銭面にも無理があるなら、可哀想だけど保護は止めておく。それでも気になるなら、保護団体を探して連絡してみても良いかと思う。それでも保護してくれる団体が見つからないなら、悲しいけど諦めるしかないのではないかな...。それでも、誰にも気に留めて貰えないよりも、気に留めてもらえたなら、それだけで猫は嬉しいと思う。猫ってそう言う人の気持ち、感じる力がある気がする。気持ちは通じていると思う。


私の様に少し不安はあれど、出来る範囲で介護出来る様であれば、命が短くても猫は幸せだと思うから、出来れば保護して最後まで飼ってあげて欲しいと思う。高度な治療が出来なくたって、冷たい路上で誰にも気にかけてもらえず孤独に旅立つよりも、暖かい部屋で、声をかけてもらえて、清潔にしてもらって、柔らかいベットで休む事が出来たなら、たとえ命が数日であっても猫は幸せだと思う。これは私の個人的な意見だから、絶対正しい考えだとは言い切れないけれど、私はそう思う。少なくとも、おはぎは保護当初とまるで違った、今は穏やかな優しい顔になっていて、いつも嬉しそうな顔で私を見てくれる。大切なのは、猫の気持ちが満たされるかなのではないかな。

でも...一番の願いはこれ以上、野良生活しないといけない猫が増えないことだけれど。


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