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バンダイとプレイボーイとのコラボ(珍品)3号 追加情報発生!(4)

一昨昨日から続く連作の4つめです。これで終了です。
記事の出典は「ゲームの世界 知と遊びの博物館」です。文献詳細は前々日の記事を参照ください。

Moving Problem  玉入れゲーム   2 players
勝利条件:
相手より早く相手の陣地に自分のコマを入れた人が勝ち。
準備:
初期配置は図の通り。

初期配置。赤枠は黄色プレーヤーのゴール地点。

遊び方:
自分のターンにできることは任意の自分のコマ1つを任意の8方向に動かすこと。選択肢は2通り。
A 空きマスに向かって1マス進む。
B 直線状に密接して並んでいるコマがあり、その先に空きマスがある場合には、まとめて一気に全てを飛び越して良い。
(あくまでも直線状に飛び越すこと。タテヨコナナメ可。)
勝利条件:
このゲームでは開始後15分時点で優勢なほうを勝ちとするか、あるいは制限時間なしで、自分のコマ全てが相手の陣地に入ったら勝ちとするか、2通りのゲームのやり方がある。

ラジくまる脚注:
英語版原文(第一刷)中には、恐るべきことに、コマがナナメに進んで良いのかどうか?さらに加えて、2~3個のコマをひとまとめで一気に飛び越しても良いのかどうか?書かれていなかったのです。
逆の意味で英語版原本(第一刷)はこのゲームの扱いがひどかったです。ちゃんと文章を推敲してほしいものです。まじでちゃんとしろよと!
このゲームの特徴は、対戦相手のコマを「取らない」ゲームである事、ならびに、この本が書かれた時点で、アメリカで著名なパスル作家のMartin Gardner著作のパズル本がすでにアメリカで流通していたこと、そしてそれらの本のなかに本作品に類似した「位置交換パズル」があったこと、等々の時代考証を考えると、本日、この記事に記したルールこそが玉入れゲームの正式ルールと推定されます。

Asalto  突撃ゲーム(あるいは officers and sepoys 将校とセポイ)   2 players
勝利条件:
将校は、兵士のコマを5個以下にしたら勝ち。兵士は将校が動けないように閉じ込めたら勝ち。
準備:
初期配置は図の通り。

初期配置。左が「キツネとガチョウ」。右が「突撃ゲーム」。赤枠は「要塞」を示す。

なお、将校の2つのコマは初期配置の時点では、「要塞」の内部で任意の場所に変更して良い。
ただし、下の写真でわかる通り、オリジナルのゲーム盤ではナナメの線が引かれていた。ナナメ動きは、線で示された位置でしかできないのが原作。
バンダイ・プレイボーイ盤は、これとはテイストが違うゲームになる。

「ゲームの世界 知と遊びの博物館」より、原作の写真画像を引用
バンダイ版は、すべての場所で8方向移動可能。原作よりずっと動きが良い。

遊び方:
先手は将校。
将校の基本の動作は、8方向に一歩、空いているマスに向かって動ける。
しかし、基本動作を選ばず、兵士1個を「ジャンプ」する動きを選んでも良い。
連続ジャンプは許可。しかも、ジャンプは強制ではないので、任意の回数で連続ジャンプをやめてもいい。
*ジャンプされた兵士は取り除かれる。
重要な注意事項:特殊な勝利条件も含む
将校が「兵士」をジャンプできるにも関わらず、ジャンプを選ばなかった時は、兵士側のプレーヤーはその点を指摘すると良い。指摘した場合は、その将校のコマ(1個)は除去される。
もし「要塞」の9つのマスを全て兵士が占領したら、その時点で兵士側の勝ち。

***

ともかく「ウシカモシカ」で大発見があったので、まだ興奮冷めやらぬところがあるのですが、玉入れゲームに関して一言述べます。

記事でもちょっとコメントしましたが、2色の色違いのペグの配置のしかたは、有名な古典パズルと同一です。
原本をちゃんと調べずに、いいかげんなことをここでは書きますが、たしか、パズル界の巨人「サム・ロイド」が紹介記事を書いて、後に「マーチン・ガードナー」が自分のパズル本に載せた、という履歴のあるパズルだった?ような気がします。たぶんそう。

だから「誰それの発明」と言うのはおこがましいボードゲームという位置づけになります。有名な古典パズルを2人対戦ゲームとして遊んでみなさいよ、という扱いなのです。




ゲームシステムのデザイナーって、何なの?どういう意味? そんな疑問は、私の記事群によってご理解いただけるものと期待してます。 ラジくまるのアタマの中にある知識を活用していただけるお方、サポート通知などお待ちしています。