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「盤双六」について想う 巻之陸 (My thoughts on Backgammon 6)

タイトル画像はwikipedia「すごろく」から引用です。

前回の「伍」で「主要ストーリー」は語りつくしています。
今回は、ついでにお話ししたくなってしまった、「付け足し」です。
「すごろく外伝」に相当します。

人類最古のゲームはどれだ?なんて感じに、古さを競い合っているようなボードゲームは、みんなぜんぶ「サイコロ」を使った運任せのゲームです。
ただいま話題にしているのは、Senetとか、Royal game of Urとかのことです。両方ともBC3000年頃に遊ばれていたすごろくゲームです。

その後、サイコロは様々なカタチが試されて、いろいろバリエーションのサイコロが誕生していきます。
「正4面体サイコロ」から始まって「子安貝のサイコロ」、「ウシの距骨サイコロ」など、いろいろなものが試されたことがわかっています。
人類って「ゲームをもっと楽しくしたい。改良したい。」という欲求が、ホントにすごいんです。

最終的には、地中海をかこむ国々のどれか1つ?が立方体サイコロを発明し、ひとつの解答を得た?みたいな感じになってます。最終的には立方体に落ち着いた、みたいな?

しかし、サイコロの形をどう変化させても、結局は「運任せ」のゲームでしかありません。

運だけで勝敗が決まるゲームにはもう飽き飽き。つまんないよ。
もっと違うゲームで遊びたい。
運だけじゃない、戦略がモノをいうゲームが欲しい!!
そんな、新しい時代のニーズがやって来たんですね。

それが西暦何年のことかは、よくわかりません。
でも、きっと、ローマ帝国で遊ばれていた「Ludus duodecim scriptorum」は、サイコロで決まる「運の要素」と、戦略的にコマを動かす「戦略の要素」とが半々くらいに混じった、傑作ゲームだったのだろうと推定しています。

そうでなければ、ローマ帝国内で長い期間、遊ばれ続けないだろうと思うのです。
BC1世紀ごろを中心に、短く見積もっても300年近くも遊ばれ続けていたらしいです。

Senetのころは、ゲーム開始時には盤上にコマが1つもない状態から始めるのが決まりでした。そして、参加者全員が同じスタートマスを共有し、同じゴールマスに向かって競争しました。

相手の邪魔をしたい。相手にペナルティを与えたい。スタートに戻るみたいなペナルティがいい。すべてがサイコロの目で決まる訳ではなく、戦略を立ててうまく事を運べば、相手にペナルティ(損害)を与えられるようなルールがいい。

そんな欲求にこたえ、誰かが「相手のコマをヒットする」ルールを考案しました。
そのうえで、同じマスに「ペア(2個以上)」を作れば、その場合は安全になり、ヒットされなくなる。
そんな具合に、高度な戦略が勝敗を左右するルールへと改良されていったわけです。
ローマ帝国のすごろくゲーム「Ludus duodecim scriptorum」は、もしかしたら、そんな画期的なゲームだったのかもしれません。

しかし、人類はまだ満足しませんでした。
さらに「スピードアップ」させたい。なお一層、スリリングな熱い展開が欲しい。
コマ15個をスタート位置から出すのって、ゲームの展開が、だらけていてなんかダルい。ここはもっと短時間で済ませたい。

これらの欲求により、ゲーム盤のマス目の数は極限まで小さくなり24マスに減少しました。しかも、コマは15個すべてが、もう盤上に出終わった状況からゲームを開始するという、超時間短縮(せっかち)なルールへと変更されました。
・・・・。
こんな風にして、バックギャモンは完成したのだろうと想像されます。
それはたぶん、AD2世紀ころのことだろうと思われます。

まだ、明日に続きます。

ゲームシステムのデザイナーって、何なの?どういう意味? そんな疑問は、私の記事群によってご理解いただけるものと期待してます。 ラジくまるのアタマの中にある知識を活用していただけるお方、サポート通知などお待ちしています。