真っ赤な空を見ただろうか
過去の話を何度も書くと、「お前最近の思い出はないのか」と言われるかもしれないがこのnoteは記憶を残しておくものでも使いたいと思っている。
最悪、非公開にして私が歳をとって記憶が薄れてもここで確認できるようにするための記憶の媒体として残しておけばいい。
まぁnoteに書いたことさえ忘れてしまったら本末転倒な訳だが。
そんなわけで今日は私が音楽を聴くようになったキッカケを話したいと思う。
その根底にはBUMP OF CHICKENがいる。
中学校の時分。
あの頃はフラッシュ動画なんていうのが流行っていた。
フラッシュ動画とはなんぞやと言われても当時の私も今の私も理解はしていない。ただ、誰かが作った面白い動画や既存の音楽に個人で作ったアニメーションを乗せたMVなどの事を指していると解釈している。
今では到底何かにひっかかる可能性がありそうなそんな時代だった。
私はまだその頃ミュージックステーションぐらいしかわかってない。とはいえ、フラッシュ動画に流れているぐらいの曲はなんとなく知っていた。
私は野球部に所属していて先のことなんてまだ何も考えていない小僧だったわけで。
ただ、ただ楽しいこと友達とくだらない話をする毎日。
野球部にDくんという子がいた。
Dくんはよく変な歌を歌ったり、箒をギターに見たてたり、エアギターしたりと色々めちゃくちゃな子だった。
Dくんがその時「Red Hot」という曲名で箒のギターで歌を歌っていた。
私は「なにそれ?笑」と
Dくんに聞いてみると
「同じ野球部のEくんが作った」
と言っていてその頃純朴全力少年だった私は
それがELLEGARDENの曲とは全く分かっておらず本当にEくんが作った曲なんだと半年ぐらい思い込んでいた。
そんなやんちゃなDくんは色々音楽を聴く子だった。TSUTAYAのCDを借りたりしてはCDウォークマン(まだ、MDとCDウォークマンが混在してた時代)で聞いている姿を見たこともある。
とある日の昼休み。
Dくんが私のクラスに入ってきて
「いい曲聴かせてやる。非常階段のとこな。」と一言残して去っていった。
私はなんだろうと思いながら非常階段へ向かう。
非常階段に着くとDくんは手に持っていたCDを私に見せてきた。
BUMP OF CHICKEN - 涙のふるさと
なんかCMで最近よく流れてるやつだ。
フルであんまり聴いたことないな。
堀北真希だったな。かわいいな。
と思っているとDくんはぱんぱんになってるブレザーからCDプレーヤーとイヤホンを取り出し私に聴かせてくれた。
相変わらずボーカルの人の声はいいなぁ。
いい曲だなぁ。落ち着くなぁ。
なんて耳で聞いてた私の気持ちをグッと引き込んだ曲が次に流れてきた。
真っ赤な空を見ただろうか。
中学生の自分に明確にどうささったかそれは未だにわかっていない。
ただ、アップテンポで耳に馴染みやすい音から
「溜め息の訳を聞いてみても自分のじゃないから解らない。だからせめて知りたがる。解らないくせに聞きたがる。」で始まる歌詞がまるでその頃の自分の胸中を指しているようですごく共感したのだ。
この曲が私はDくんから聴かせてもらった後も
頭にずーっと残っていた。
そうか。
小学校高学年から非常階段で「真っ赤な空を見ただろうか」を聴くまでの節々で実はすごく近くにBUMPの音楽はいつもいて、BUMPの音楽に楽しませてもらっていたんだと気付かされた。
その頃お小遣いなんて大してもらえてなかったのでTSUTAYAなんかを利用して曲をMDに録音してなどをやっていた。
1年後、私は「orbital period」をTSUTAYAのレンタルではなくCDショップで買うのであった。
新しいドキドキがそこにはあって。
本当の好きがそこにはあった。
CDを買った外は夕日が眩しく自分も真っ赤な空を見たような気でいた。
その日から私は少しずつ邦楽ROCKを掘り始めるのであった。
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