ランデブーに逃避行
9月某日。
私は仕事終わりにカラオケによく行く。
毎日とかでは無いが2週に1回程度には行ったりする。
いつも通り好きな曲をノンストップで1時間歌う。
BUMP、Vaundy、藤井風etc…。
いろんなストレスを歌にぶつけて発散を済ませた後、部屋を出て会計を済ませる時だった。
入店した2組に目が行った。
1人は20代前半ぐらいに見える女性。
髪色は茶色で格好は割とカジュアルであった。
もう1人に目をやると白髪でヨレヨレのスーツを着たどう見ても
[仕事はもうとっくに辞めました。あとは余生を楽しむだけです。]
みたいな男性が横にいた。歩き方もたどたどしい。
私はこれはどういう関係なんだ❔と考えてしまった。
CASE.1
おじいちゃんと孫。
子供の頃よりコミュニケーションを取ることが減ってしまった。
今では冠婚葬祭や正月ぐらいで会う程度。
そんな時おじいちゃんの余命を医者から告げられてしまう。
おじいちゃんとの残りの時間をどう過ごすか。
そんなことを家族で考えているが色々話がまとまらない。
孫はおじいちゃんに「おじいちゃんは何かしたいことある❔」と聞くと、
おじいちゃんは「…〇〇の歌が久しぶりに聴きたいなぁ…子供の頃…よく家で歌ってた…あの歌…なぁ…」とぼそっと呟いた。
孫は溢れる涙を隠しながら、「じゃあ…おじいちゃん今からカラオケ行こっか‼︎」
とおじいちゃんと一緒に家を出たのであった。
CASE.2
我々ハ宇宙人。
コノ国ヲ占領スル為ニハマズ調査ガ必要ダ。
シカシ我々ノ恰好ハ地球人ニハスグバレテシマウ。
ココハ地球人ノ姿ヲ借リルシカナイ。
ヨシアソコヲ歩イテイル人間ヲインストールスルノダ。
。。。。。。。。。。。
ヨシ、コレデ良イ。
コノ地球(ホシ)ノ住人ハドンナ事ヲシテ生活ヲシテイルノダ。
ココハ黒イ服ヲ着タ人間ガ沢山歩イテイル。
品川トハ凄イ所ダ。
ココハ毎日戦争ガ起キテイル物騒ナ場所ダ。
新宿トハ怖イ所ダ。
何ダ大キナ人間ハ凄ク窮屈ソウニ生活シテルジャナイカ。
奈良トハ鹿ナ場所ダ。
コノ地球(ホシ)ノ住人ハ住ンデイル場所デ違ウ言葉使ウノカ。
我々ハ脳ニ直接話カケルノガ主流ダガ話セナイト怪シマレテシマウ。
ソノ為ニコノカラオケ館トイウ場所デマズハ言葉ヲ覚エヨウ。
店員「いらっしゃいませー‼︎」
ソノ言葉ガ何ヲ意味シテイルカ分ナイ。
侵略ハ随分ト先ニナリソウダ。
CASE.3
なんだパパ活か。
とまぁこんな思考が巡ったわけだがお涙頂戴でもSFでもなんでもない。
ただ、よからぬことだと思うと悲しくなるので逃避行しただけの話。
この真実はカラオケという部屋の中に閉じ込められる。
こうやって綴っている今も真実の分からない事が目まぐるしく起こっている。
出会った立ち会った真実以外は想像への逃避行だ。
面白いかとか別として。
逃避行は想像力を身につける手段だ。
あっでも出会った立ち会った真実も辛かったり、苦しかったりしたら
逃避行したくなるわ。
もうみんなで全部逃避行だわい。
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